2026年9月25日追記:この記事は、2026年9月3日に公開された GPT-6 Astra のリリース時点の記録です。9月23日、OpenAI は同じ GPT-6 世代に、バランス型の GPT-6 Sol と、低コストの大量処理向けの GPT-6 Luna を加えました(GPT-6 Sol・Luna の解説)。Astra は引き続き GPT-6 世代の旗艦です。また7章で比べている Claude Opus 5 には、9月22日に後継の Claude Opus 5.5 が出ていて、どれを使うか迷ったときに Anthropic がまず勧めるモデルも Opus 5.5 に変わりました(Opus 5 も引き続き提供されています)。7章の比較表と価格の比較は執筆当時のものです。

2026年9月3日、OpenAI が新しいフラッグシップ 「GPT-6 Astra」 を公開しました(OpenAI APIドキュメント)。APIはゲート無しで一般提供、モデルIDは gpt-6-astra、コンテキストは 1,050,000トークンです。

ただし「公開された」と「あなたのプランで使える」は別の話でした。OpenAI 自身が「限定的な組織から順次」と告知しており、ChatGPT Plus では通常のチャット(Chat)では使えません。Plus で使えるのは ChatGPT Work と Codex で、これは2026年9月22日時点の公式ヘルプでも変わっていません。この記事の2章は、その一点だけを知りたい人のために独立させてあります。

そしてもう1つ、ベンチマークは「誰の表か」で値が変わります。OpenAI の公式発表には Claude や Gemini と並べた数値の表が付いていますが、たとえば同じ DeepSWE v1.1 でも、Claude Opus 5 は OpenAI の表では 73.7%、Anthropic 自身の発表では 68.8% です。4章では主な値を発表元つきで載せ、並べるときの注意を書きます。

2026年9月22日更新:プラン別の提供状況を公式ヘルプの現在の記載に合わせ、4章に OpenAI 公式発表のベンチマークの値を加えました。また5章の表で「ExploitBench」としていた 88.0%/99.2% は、正しくは SRE-Bench(バイナリの解析)の値だったため訂正しました(ExploitBench は Astra 100.0%、GPT-5.6 Sol 78.5%)。2026年9月25日には、4章の表に同じ表の Gemini 3.8 Flash の列を加えました(DeepSWE v1.1 は 73.8% で、Astra・Opus 5・Sol と1.4ポイントの中に並びます)。

G6

GPT-6 Astra

2026年9月3日公開 / API は一般提供

コンテキスト
1,050,000
最大出力 128,000
API価格(100万トークン)
$10 / $50
キャッシュ入力 $1 / 書込 $12.50
知識カットオフ
2026年4月30日
Opus 5 は2026年5月
サイバー能力
Critical
この水準に達した初のモデル

出典: OpenAI

1. リリース概要——日付・スペック・提供範囲

OpenAI は GPT-6 Astra を 「現時点で最も知的なモデル」と位置づけ、コンピュータ操作・ブラウジング・ソフトウェア工学・科学・専門職業務で最先端の性能を持つと説明しています。公式の言い方は「コード、ブラウザ、業務ソフトをまたぐ複数手順のワークフローの遂行に優れる」で、一問一答よりも「長く動く仕事」に軸足を置いた説明になっています(OpenAI モデルガイダンス)。

項目GPT-6 Astra備考
公開日2026年9月3日限定的な組織から順次拡大
モデルIDgpt-6-astraAPIはゲート無し
コンテキスト1,050,000トークン—
最大出力128,000トークン—
知識カットオフ2026年4月30日詳細はカットオフ日一覧
推論の強度low / medium / high / xhigh / maxnone は非対応
対応機能ストリーミング、構造化出力、関数呼び出し、ファイル検索、画像入力、Web検索、プロンプトキャッシュ—
レート制限5,000〜15,000 RPM / 1M〜40M TPM利用ティア(Build・Launch・Grow)による

272,000トークンを超える入力には割増がかかります。入力とキャッシュが2倍、出力が1.5倍です。100万トークンのコンテキストは「使えば使うほど単価が上がる」設計で、入れられることと、入れて得なことは別だと考えたほうがよいでしょう。

2.「Plusなのに出てこない」の正体——プラン別の提供状況

公開直後に最も多く見られた困りごとがこれです。結論から言うと、Plus でも Astra は使えますが、通常のチャット画面(Chat)には出てきません。

以下は OpenAI 公式ヘルプ(GPT-5.6 and GPT-6 Pro in ChatGPT、ChatGPT Work and Codex、Managing usage with GPT-6 Astra in Work and Codex)の、2026年9月22日時点の記載にもとづく整理です。ポイントは、Chat では Astra が「GPT-6 Pro」という名前で提供され、Work・Codex とは対象プランも利用枠も別だということです(公式発表では「GPT-6 Astra Pro」と表記)。

API

一般提供。ゲートも順番待ちもなく、gpt-6-astra を指定すれば使えます。料金は使った分だけです。

Pro/Business Premium

Work と Codex で、利用枠をすべて Astra に使えます。Chat でも GPT-6 Pro を使えます(Pro $200 は週200件、Pro $100 と Business Premium は GPT-5.6 Sol Pro と合わせて週50件)。

Enterprise

管理者が有効にすれば使えます。公開時の初期設定はオフでした。Chat の GPT-6 Pro も、ワークスペースのモデル権限しだいです。

Business Standard

Work と Codex では回数限定(超えた分はクレジットで追加)。Chat でも GPT-6 Pro を月15件使えます(GPT-5.6 Sol Pro と共有の枠)。

Plus

Work と Codex のみで、回数限定(超えた分はクレジットで追加)。Chat の GPT-6 Pro は含まれません。探すなら Work か Codex のモデル選択です。

公開時の告知は「本日から一部の組織に提供し、数日かけて全 Plus・Pro・Business・Enterprise ユーザーと、API・Microsoft Azure・AWS Bedrock に広げる」というものでした(OpenAI 公式発表)。実際の展開は遅れ、OpenAI はヘルプで、その遅れへの対応として9月3日と4日に利用枠のリセットを配り、9月7日にも自動リセットを行ったと説明しています。

要するに、探す場所が違います。「ChatGPT を開いてモデル一覧を見る」→ 出てこない、で止まっている人が多いのですが、Plus の入口は Work と Codex です。

✅ 「待てば Plus の通常チャットにも来る」は、公式ヘルプで否定されました。当初の告知は「数日のうちに全 Plus ユーザーへ」で、公開から5日後の2026年9月8日時点では、OpenAI の開発者フォーラムに説明を求めるスレッドが立つなど、見通しがはっきりしませんでした。いまのヘルプは「Plus は Work と Codex で Astra を使えるが、Chat の GPT-6 Pro は含まれない」と明記し、Work で Astra を使えても、Chat の GPT-6 Pro が付いてくるわけではないとも書いています。(2026年9月22日に確認。変われば追記します)

3. 価格——$10/$50は高いのか、という問いの立て方

API価格は入力 $10 / 出力 $50(100万トークンあたり)。Claude Opus 5 の $5 / $25 のちょうど2倍で、単価だけ見れば高い部類です。

ただし OpenAI は同じドキュメントで、「より少ない出力トークンでより良い結果を出すため、1タスクあたりの推定APIコストはむしろ低い」と主張しています。推論モデルの請求額は「単価 × 実際に吐いたトークン数」で決まるので、単価が2倍でも出力が半分以下なら総額は下がります。

ここは鵜呑みにしないでください。「出力が少ないので安い」はOpenAI自身の見積もりであって、第三者の実測ではありません。しかもタスクの性質で簡単に逆転します——短い返答を大量に投げる用途なら単価がそのまま効きますし、長考させる設定(xhigh / max)では出力トークンは増えます。
自分の代表的なタスクを10本流して請求額を見る——これ以外に確かめる方法はありません。

4. ベンチマーク——公式の表と、並べるときの落とし穴

OpenAI の公式発表には、GPT-5.6 Sol・Claude Fable 5.1/Fable 5/Opus 5・Gemini 3.8 Flash と並べた数値の表が付いています。主な値を抜き出すと次のとおりです。

指標(OpenAI の表)GPT-6 AstraGPT-5.6 SolClaude Opus 5Gemini 3.8 Flash
Terminal-Bench 4.0(ターミナル作業)57.9%37.3%52.6%19.1%
DeepSWE v1.1(エージェント型コーディング)74.1%72.7%73.7%73.8%
Agents' Last Exam(実務ソフトでの専門業務)59.3%53.6%55.5%—
OSWorld 2.0(PC操作・オフライン版)72.6%65.7%70.2%—
AutomationBench(業務の自動化)41.4%18.1%26.9%—
ARC-AGI-3(未知の問題解決)99.9%7.8%30.2%—
FrontierMath Tier 4 v2(数学)97.6%83.0%73.2%—
Humanity's Last Exam(ツールあり)57.2%—63.6%—

出典:OpenAI 公式発表の表(2026年9月3日)。OpenAI の注記では、値は各推論強度での最高値。「—」は OpenAI の表に値が載っていない項目。

差が大きいのはターミナル作業・業務の自動化・未知の問題解決で、1章の「長く動く仕事に軸足を置いた」という説明と一致します。一方で DeepSWE v1.1 は Astra 74.1%・Gemini 3.8 Flash 73.8%・Opus 5 73.7%・Sol 72.7% と、上位4つが1.4ポイントの中に並びます。また、Humanity's Last Exam(ツールあり)では Opus 5 のほうが上です(同じ表では Fable 5.1 がさらに上)。どの指標でも勝っている表ではありません。

並べるときの注意——同じテストでも表によって値が違う

① 発表元で値が違う

Claude Opus 5 の DeepSWE v1.1 は、OpenAI の表では 73.7%、Anthropic 自身の発表(2026年7月24日)の表では 68.8% です。OpenAI の表には、この行の Claude の値を誰がどんな設定で測ったかの注記がありません。どちらも公表された値ですが、4.9ポイントの差がどこから来たのかは、公開情報からは分かりません。第三者の Artificial Analysis が自社の Coding Agent Index(Codex 上で実行)で測った DeepSWE では、Astra 68%、Sol 72% と順位まで逆転しています(2026年9月9日公表)。

② 別のテストを混ぜない

Astra の 74.1% は DeepSWE v1.1 の値です。SWE-bench Verified など別のテストの Claude の値と並べても比較になりません。名前が似ていても、課題も採点方法も違います。

③ 上限に張り付いた指標

ARC-AGI-1 は5モデルが 97.5〜98.5% に並び、FrontierMath Tier 4・ARC-AGI-3・ExploitBench は OpenAI 自身が「Astra で飽和した」と書いています。こうした指標では1〜2ポイントの差に意味がありません。

では何と比べればいいのか。同じ表の中の値どうしです。OpenAI の表の中なら Astra 74.1% 対 Opus 5 73.7%、Opus 5 の記事で扱った Anthropic の表の中なら Opus 5 68.8% 対 GPT-5.6 Sol 72.7%。表をまたいで数字を拾うと、どちらの結論も作れてしまいます。

5. サイバー能力が「Critical」に達した初のモデル

スペックよりも大きなニュースはこちらかもしれません。OpenAI は、GPT-6 Astra を自社の Preparedness Framework で「サイバーセキュリティ能力 Critical」に達した初のモデルと位置づけました(OpenAI Deployment Safety Hub、システムカード公開 2026年9月3日)。

公式の説明では、Astra はまだ知られていない脆弱性を見つけ、それを突く新しい方法を、堅牢なシステムに対して人の逐一の指示なしに編み出せる水準にあります。安全対策を外した状態の評価では、堅牢化されたブラウザで任意コード実行に至る経路や、堅牢化されたOSでの権限昇格を成立させたと記載されています。

OpenAIが公開している値GPT-6 AstraGPT-5.6 Sol
ExploitBench(既知の脆弱性から実際に動く攻撃コードを作る)100.0%78.5%
SRE-Bench(ソースコードなしでバイナリを解析・1回で成功)88.0%55.9%
SRE-Bench(4回以内で成功)99.2%68.7%
Gray Swan IPI Arena 攻撃成功率
(低いほど守れている)
8.5%27.0%
HealthBench Professional(長さ調整済み)63.460.5
Codexシミュレーションでの重大度3以上の逸脱0.063%(54,218件中34件)0.135%(73件)

出典:OpenAI 公式発表とシステムカード(2026年9月3日)。ExploitBench は本番用の安全対策を外した状態での評価。

ExploitBench の100%は割り引いて読む必要があります。OpenAI 自身がシステムカードで、過去の脆弱性の情報に触れていたことによる水増しの可能性を認めています。そこで Astra の知識カットオフ後に公開された脆弱性だけで社内版(2026年6〜8月)を作って測ったところ、Astra 39.0%、Sol 5.5% でした(Sol の値は300ターンの上限に当たった影響で、上限に当たりにくい設定では11.5%だったと OpenAI が注記)。

攻撃側の能力が上がった一方で、攻撃を受ける側としては強くなっています。間接プロンプトインジェクションの攻撃成功率は Sol の 27.0% から 8.5% へ下がりました。エージェントに外部のWebページを読ませる用途では、これは実務的に効く改善です。

OpenAI が取った対応は「能力を落とす」ではなく「用途で切り分ける」でした。セキュアコードレビューやパッチ適用といった防御側の作業には応じる一方、既知の脆弱性に対する実証コードの作成のような攻撃寄りの依頼は拒否します。加えて、全ツール使用推論への監視の拡大、重大な操作に対する利用者確認、18歳未満への安全境界の調整が入り、生物研究とサイバーセキュリティ研究については審査つきの限定アクセス枠が別途用意されています。

この「線の引き方」は、9月に出た他の新モデルにも共通しています。各社とも、最も危険な能力の周りに囲いを作り、資格のある相手にだけ開ける方式を取りました。「全部入りで全員に配る」時代が終わりつつある——今回の3連続リリースで最も見落とされている変化はここだと思います。

6. 開発者向け——移行で壊れるもの

既存コードから乗り換える場合、そのままではエラーになる箇所があります。OpenAI のモデルガイダンスに明記されている変更点は次のとおりです。

サンプリング系の引数を外す

temperature top_p top_logprobs などは渡さない。推論モデルでは効かないだけでなく、拒否される場合があります。

Responses API を使う

Chat Completions でも動きますが、ツール呼び出しには Responses API が必要です。エージェント用途なら必須と考えてください。

none の推論強度が無い

none や minimal を使っていたなら low から始めて結果を比べる、と公式が指示しています。

キャッシュの設定と課金が変わった

GPT-5.5 以前から移るなら、prompt_cache_retention を prompt_cache_options.ttl(値は "30m")に置き換えます。キャッシュ書き込みには入力単価の1.25倍がかかるので、移行の前後でキャッシュされたトークン数と総額を比べてください(公式の移行手順)。

挙動面では、Astra は以前より利用者に質問を返しやすいと公式が明記しています。人が横にいる対話では有り難い性質ですが、無人で回すバッチ処理では止まる原因になります。自律実行させたいなら、その旨をプロンプトで明示してください。

もう1点、Fast モードは EU データレジデンシー環境では利用できません。またレイテンシのSLAも付きません。応答速度を前提に設計する場合は注意してください。

7. Claude Opus 5 / Gemini 3.8 Flash との比較

2026年9月1日から3日にかけて、Anthropic・Google・OpenAI が3日連続で新モデルを出しました。現行の顔ぶれを、公表値が確認できる項目だけ並べます。

モデル公開日入力/出力(100万トークン)カットオフコンテキスト
GPT-6 Astra2026年9月3日$10 / $502026年4月30日1,050,000
Claude Opus 52026年7月24日$5 / $252026年5月1,000,000
Claude Fable 5.12026年9月1日$10 / $502026年6月1,000,000
Gemini 3.8 Flash2026年9月2日$0.75 / $3.75 (導入価格・2026年12月31日まで)2026年3月1,000,000

読み取れることを3つ。

① 最上位帯の価格が $10/$50 で揃いました。Astra と Fable 5.1 が同額です。一方で Anthropic は「ほとんどの用途は Opus 5 から」という案内を変えていないので、$5/$25 の Opus 5 が実質の主戦場という構図は続いています。

② 知識の新しさは Fable 5.1 が先頭。2026年6月で、Opus 5(5月)、Astra(4月30日)、Gemini 3.8 Flash(3月)が続きます。ただしWeb検索を併用する使い方では、この差は実務にほとんど響きません。カットオフが効くのは検索を切ったときです。

③ 桁が違うのは価格。Gemini 3.8 Flash は導入価格で入力が Astra の約13分の1です。「賢さ」で並べると団子になり、「コスト」で並べると桁で分かれる——これが2026年秋の実像で、前世代の比較のときより差がはっきりしています。

8. 注意点——数字の出どころと、変わりうるもの

正直に書いておきます。公開時点のこの記事には、確かめられずに載せなかった数字がありました。その後に公式ページで確認できたものは、発表元つきで加えています。

✅ コーディング・数学系の主要スコア

公開時点では発行元のページを確認できず載せていませんでしたが、OpenAI の公式発表に表があることを確認し、4章に加えました(2026年9月22日)。Claude の値には、発表元によって違うものがあります。

✅ プラン別の利用回数

公式ヘルプに目安が載りました。Work と Codex の Astra は5時間あたり、Plus と Business Standard が5〜45件、Pro(5x)が25〜225件、Pro(20x)が100〜900件。ローカル実行のメッセージ数の目安で、固定の上限ではありません。Chat の GPT-6 Pro の枠は2章のとおりです。

✅ 載せたもの

スペック・価格・移行時の変更点はAPIドキュメントとモデルガイダンス、ベンチマークはOpenAI の公式発表(Claude の値は Anthropic の発表とも照合)、安全性の数値はシステムカード、プラン別の提供は公式ヘルプから。いずれも発行元のページで確認しています。

そしてもう1つ。公開直後の情報は動きます。提供範囲は数日単位で変わりますし、価格や制限も改定されえます。プラン別の提供状況とベンチマークの値は2026年9月22日に公式ページで確かめ直しました。

9. 用途別おすすめ——いつ Astra を選ぶか

Astra が向く

長く自律して動く仕事。ブラウザや業務ソフトをまたぐ複数手順の作業、ターミナル作業、外部Webを読ませるエージェント(プロンプトインジェクション耐性が上がっているため)。

まず Opus 5 でよい

単価を半分に抑えたいとき。文章の質や一般的なコーディングでは、いま公表されている範囲で決定的な差は見えていません。Opus 5 で足りるなら、それが安上がりです。

量で回すなら Flash 系

桁で効くのは価格。要約・分類・下書きを大量に流す用途では、Gemini 3.8 Flash の導入価格が圧倒的です。Gemini の全体像も参考に。

まず無料で試す

課金の前に手触りを確かめる。各社の無料枠でひととおり触ってから決めても遅くありません。3社の無料枠比較。

最後に、いちばん確実な決め方を書いておきます。ベンチマークの表を眺めるより、自分の代表的なタスクを10本、同じ入力で2〜3モデルに流すほうが早いです。かかった時間と請求額と、出てきたものの質。この3つを自分の目で見れば、どの表よりも正確な答えが出ます。

FAQ

Q1. GPT-6 Astra はもう使えますか?

APIは2026年9月3日から一般提供されており、ゲートも順番待ちもありません。ChatGPT では、Plus・Pro・Business が ChatGPT Work と Codex で使えます(Plus と Business Standard は回数限定、Enterprise は管理者が有効にした場合)。通常のチャット(Chat)では Astra は「GPT-6 Pro」として Pro・Business・Enterprise に提供され、Plus には含まれません(2026年9月22日時点の公式ヘルプ)。

Q2. ChatGPT Plus なのにモデル一覧に出てきません。

探す場所が違う可能性が高いです。Plus で Astra を使えるのは ChatGPT Work と Codex で、通常のチャット画面(Chat)には出てきません。そちらのモデル選択を確認してください。OpenAI の当初の告知は「数日のうちに全 Plus ユーザーへ」でしたが、2026年9月22日時点の公式ヘルプは「Plus は Work と Codex で Astra を使えるが、Chat の GPT-6 Pro は含まれない」と明記しています。デスクトップアプリの Work や Codex にも出てこない場合は、メニューの「Check for Updates」で最新版にしてください。

Q3. Claude Opus 5 と比べてどちらが優秀ですか?

用途によります。OpenAI の公式の表では、DeepSWE v1.1 が Astra 74.1% 対 Opus 5 73.7% とほぼ横並びで、ターミナル作業(Terminal-Bench 4.0)では 57.9% 対 52.6% と Astra が上、Humanity's Last Exam(ツールあり)では 57.2% 対 63.6% と Opus 5 が上です。ただし Opus 5 の DeepSWE v1.1 は Anthropic 自身の発表では 68.8% で、同じテストでも発表元によって値が違います。価格は Astra が $10/$50、Opus 5 が $5/$25 で、Opus 5 のほうが安価です。

Q4. 価格が Opus 5 の2倍ですが、本当に高くつきますか?

タスク次第です。OpenAI は「出力トークンが大幅に少ないため1タスクあたりの推定コストはむしろ低い」と説明していますが、これは自社の見積もりです。短い返答を大量に投げる用途では単価がそのまま効きますし、xhigh や max で長考させれば出力は増えます。自分の代表的なタスクで請求額を実測してください。

Q5. 既存のコードから移行するとき、何が壊れますか?

主に4点です。temperature や top_p などサンプリング系の引数を外すこと、ツール呼び出しには Chat Completions ではなく Responses API を使うこと、推論強度の none が使えないこと(low から始めて比較する、と公式が指示)、GPT-5.5 以前から移るなら prompt_cache_retention を prompt_cache_options.ttl に置き換えることです。キャッシュ書き込みには入力単価の1.25倍がかかるので、移行の前後で請求額を比べてください。

Q6.「サイバー能力が Critical」とは、危険なモデルということですか?

OpenAI の Preparedness Framework における能力の水準を指す言葉で、危険性の判定ではありません。Astra はこの水準に達した初のモデルで、そのため OpenAI は用途で線を引いています。セキュアコードレビューやパッチ適用など防御側の作業には応じますが、実証コードの作成のような攻撃寄りの依頼は拒否します。むしろ攻撃を受ける側としては強くなっており、間接プロンプトインジェクションの攻撃成功率は GPT-5.6 Sol の 27.0% から 8.5% へ下がっています。

Q7. 100万トークンのコンテキストは、使えば使うほど得ですか?

いいえ。272,000トークンを超える入力には割増がかかり、入力とキャッシュが2倍、出力が1.5倍になります。長大な文脈を丸ごと入れるより、必要な部分を選んで渡すほうが安く済む場面が多くなります。

出典

この記事の数値は、すべて下記の発行元のページで確認したものです。まとめ記事からの引き写しは含めていません。