Claude Code でのやり取りが AI の学習に使われるかどうかは、どのプランの、どのアカウントで使っているかで決まります。Free・Pro・Max の個人プランでは、アカウントのプライバシー設定で「学習に使ってよい」をオンにしているときだけ学習に使われ、オフにすれば止められます。Team・Enterprise・API などの商用の契約では、最初から学習に使われません。

この記事では、Claude Code の公式ドキュメント「Data usage」、Anthropic のプライバシーセンター、Claude Platform のドキュメント「API and data retention」の原文をもとに、学習を止める設定の場所、オフにしても学習や保存に回りうるもの、プランごとの違い、API の扱いを整理します。内容は2026年10月4日時点の原文で確かめたものです。

先に結論——Claude Code のデータは学習に使われるか

出典: Claude Code 公式ドキュメント「Data usage」、Anthropic プライバシーセンター(2026年10月4日確認)

Free・Pro・Max

設定しだい

アカウントの設定がオンなら学習に使われる。オフにすれば止まる。

Team・Enterprise・API

既定で使われない

自分から提供を選んだ場合(フィードバックなど)を除き、学習に使われない。

オフでも残るもの

評価・報告・違反

👍👎 の評価、/feedback の報告、安全の仕組みに止められた会話は別扱い。

保存期間

30日か5年

学習とは別の話。個人プランは設定オフで30日・オンで5年、商用は30日(API は30日以内に削除)。

1. 学習の設定は「端末」ではなく「アカウント」にある

まず押さえておきたいのは、Claude Code のデータを学習に使うかどうかは、Claude Code の設定ファイルや環境変数では決まらないことです。Claude Code の公式ドキュメント「Data usage」は、個人プラン(Free・Pro・Max)について次のように書いています。

  • データをこれからの Claude のモデルの改善に使うかどうかを、利用者が選べる。
  • この設定がオンのとき、Free・Pro・Max のアカウントのデータを新しいモデルの学習に使う。そのアカウントで Claude Code を使ったときも含む。
  • プライバシー設定は claude.ai/settings/data-privacy-controls でいつでも変えられる。

つまり、Pro や Max のアカウントでログインして Claude Code を使っている場合、学習の扱いはそのアカウントのプライバシー設定に従います。設定を変える場所は claude.ai の Web 画面(またはアプリの設定)で、Claude Code を動かしている PC の設定ファイルを書き換える必要はありません。会社の PC など、手元の設定を触れない環境でも、アカウント側で止められます。

一方、Team・Enterprise・API などの商用の契約(Commercial Terms)で使っている場合は、そもそも学習に使われない扱いです。この違いは4章の表にまとめました。

2. 個人プランで学習を止める方法

Anthropic のプライバシーセンターの「How do I change my model improvement privacy settings?」によると、手順は次のとおりです。

使う画面手順
PC のブラウザ・デスクトップアプリ自分の名前(メニュー)→ 設定(Settings)→ プライバシー(Privacy)→ 「Help improve our AI models」のスイッチをオフ
スマートフォンのアプリ自分の名前 → 設定(Settings)→ プライバシー(Privacy)→ 同じスイッチをオフ

画面の文言は英語の案内に合わせて書いています。日本語表示の画面では訳語が異なることがあります。迷ったら、上の claude.ai/settings/data-privacy-controls を直接開くのが確実です。

オフにしたら、過去のデータはどうなるか

プライバシーセンターは、オフにした後の扱いを次のように説明しています。

  • これからの会話:新しい会話やコーディングのセッションは、今後の学習に使われない。
  • これまでに保存された会話:今後の学習には使われない。
  • すでに始まった学習・学習済みのモデル:取り除かれない。オフにする前のデータが、進行中の学習や、すでに学習を終えたモデルに含まれている場合は、そのまま残る。
  • 削除した会話:会話の履歴から削除した会話は、今後の学習に使われない。

つまり、オフにすれば「これから先」は止まりますが、過去にさかのぼってモデルから消えるわけではありません。機密の情報を扱う前に設定を確かめておくのが大事です。

設定で変わる保存期間

設定は、学習だけでなく保存期間も変えます。Claude Code の「Data usage」によると、個人プランでは次のとおりです。

設定保存期間
モデルの改善に使ってよい(オン)5年(モデルの開発と安全性の改善のため)
使わない(オフ)30日

プライバシーセンターによると、オンのときの5年の保存は、識別できる情報を外した形(de-identified)で学習の仕組みの中に保管するもので、設定をオンにした後に始めた会話・再開した会話にだけ当てはまります。

3. 設定をオフにしても使われうるもの

設定をオフにしても、次の場合は別の扱いになります。プライバシーセンターと Claude Code の「Data usage」の記述をまとめると、次のとおりです。

どんなとき何が送られる・残るか学習への利用保存期間
👍👎 の評価ボタンを押したその会話全体(設定・スタイルを含む)使われうる(利用者 ID と切り離したうえで)最長5年
Claude Code で /feedback・/bug・/share を送った会話の記録(コードを含む)製品とサービスの改善に使われうる5年
安全の仕組みに利用規約違反として判定された入力と出力、判定のスコア安全対策のモデルの改善などに使われうる入出力は最長2年、スコアは最長7年
Trusted Tester Program などに自分から参加した参加の条件による使われうる条件による

Claude Code を使っていると、「How is Claude doing this session?(このセッションの Claude はどうでしたか)」という評価の質問が出ることがあります。公式ドキュメントによると、評価を選ぶだけなら評価の値しか記録されず、会話の中身は送られません。その後に「会話の記録を Anthropic が見てもよいか」と聞かれ、Yes を選んだときだけ会話の記録・サブエージェントの記録・ログが送られます(既知の API キーやトークンの形は伏せられるが、ソースコードやファイルの中身はそのまま)。この記録は最長6か月保存され、学習には使われないと明記されています。

なお、claude.ai のインコグニート チャット(会話の履歴に残らない一時的なチャット)は、設定をオンにしていても学習に使われません。ただし、これは claude.ai のチャットの機能で、Claude Code の「Data usage」には Claude Code での同等の機能は書かれていません。

4. プラン別の扱い——学習と保存期間

Claude Code の「Data usage」とプライバシーセンターの記述をプランごとにまとめると、次のとおりです。

使い方学習への利用サーバーに残る期間(学習とは別)止め方・選べること
Free・Pro・Max のアカウントで Claude Code設定がオンなら使われるオンで5年、オフで30日アカウントのプライバシー設定をオフ
Team・Enterprise のアカウントで Claude Code既定で使われない30日(Enterprise は保存期間を組織で設定できる)管理者が 👍👎 の評価ボタンを組織で無効にできる
API キー(Claude Console)で Claude Code既定で使われない30日以内に削除条件を満たす組織はデータを残さない契約(ZDR)を結べる
Amazon Bedrock・Google Cloud・Microsoft Foundry 経由既定で使われない各クラウドの規約による各クラウドの設定・契約

商用の契約でも、自分から提供を選んだ場合は例外です。プライバシーセンターは、👍👎 の評価ボタンなどで明示的にフィードバックや不具合を報告したときは、その会話やセッションを学習に使うことがあると書いています。API には、組織の管理者が申し込むと学習用にデータを提供する Development Partner Program もあります(Anthropic の API だけが対象で、Bedrock・Google Cloud は対象外)。

学習に使われないのに、なぜ保存期間があるのか

表の「学習への利用」と「保存期間」は、別のことを指しています。保存はデータが Anthropic のサーバーに残っている期間のこと、学習はそのデータを新しいモデルを作る材料に入れることです。学習に使われなくても、次のような理由でしばらくは残ります。

  • 会話の履歴を見せる・続きから再開するため——プライバシーセンターは、会話を保存して続けられる製品では、使い続けられるように会話を保持すると書いている。自分で会話を削除した場合も、画面からはすぐ消えるが、サーバーの保管からは30日以内に消える。
  • 規約違反の検知と対処のため——API の入出力を30日より長く残す理由として、利用規約の違反への対処と法令への対応が挙がっている。違反と判定された会話は最長2年残る。
  • 悪用を見つけるため(Covered Models)——Fable などの Covered Models は、1回の要求だけでは見えず、多くの要求を並べて初めて分かる悪用があるので、少なくとも30日のデータを残して自動の安全の仕組みで確認する、と説明されている。

つまり、30日の保存は「学習に使うための保管」ではなく、製品の動作と安全対策のための一時的な保管です。ただし、残っている間はサーバー上にデータがあることに変わりはないので、保存そのものを避けたい場合は5章の ZDR を検討します。

「学習に使われないプランにしたい」という理由だけなら、個人プランのまま設定をオフにすれば足ります。保存期間を短くしたい、会社としての契約や管理が必要、という場合に、Team・Enterprise や API が選択肢になります。プランごとの料金は「Claude と ChatGPT の料金比較」にまとめています。

5. API で送った内容は学習されるのか

既定では学習に使われません。プライバシーセンターの商用向けの記事は、Claude API などの商用の製品の入力と出力を、既定ではモデルの学習に使わないと書いています。Claude Platform のドキュメントも、保存したデータは「明示的な許可なしにモデルの学習に使われることはない」と約束しています。

保存については、商用向けの記事「How long do you store my organization's data?」に次のように書かれています。

  • API の入力と出力は、受け取りまたは生成から30日以内に自動で削除される。
  • 例外は、Files API のように利用者が保存を管理する機能を使ったとき、別の契約(データを残さない契約など)があるとき、利用規約の違反への対処で長く残す必要があるとき、法律で求められたとき。
  • 利用規約違反と判定された場合は、入出力を最長2年、判定のスコアを最長7年保存する。

データを残さない契約(ZDR)

さらに保存を減らしたい組織向けに、ZDR(Zero Data Retention)という契約があります。Claude Platform のドキュメントによると、ZDR の下では API の応答を返した後に、プロンプトと応答を保存しません。営業窓口への申し込みが必要で、組織ごとに有効にします。

  • Claude Code も対象になる:商用の組織の API キーで Claude Code を使う場合、ZDR が適用される。ただし、Claude Code の利用状況の記録(メトリクス)を有効にしていると、その統計は ZDR の対象外として保存されうる。
  • 対象外のもの:Claude Console での利用(プレイグラウンドを含む)、個人プラン(Free・Pro・Max)、Team・Enterprise の画面での利用(Enterprise の Claude Code には別の ZDR がある)など。
  • Covered Models は30日の保存が必須:Anthropic が「Covered Models」に指定したモデル(2026年10月4日時点で Claude Fable 5・5.1、Claude Mythos 5・5.1)は、悪用を見つけるために少なくとも30日の保存が必要で、原則として ZDR では使えない。ZDR の組織は、ワークスペースごとに30日の保存を有効にすると使えるようになる。

Covered Models の保存は、Claude Platform だけでなく Amazon Bedrock などのクラウド経由でも同じく求められます。Anthropic のCovered Models の説明によると、保存されたデータは自動の安全の仕組みで確認されます。学習への利用については、それぞれのプランのプライバシーセンターの方針に従う、とされています。

6. 学習とは別に送られるもの——利用状況・エラー報告

Claude Code は、学習とは別に、動作の記録を Anthropic などへ送ります。公式ドキュメントによると、どれも学習の設定とは関係なく、それぞれ環境変数で止められます。

送られるもの中身止める環境変数
利用状況(メトリクス)速さ・安定性・使い方の傾向(コード・プロンプト・ファイルのパスは含まない)DISABLE_TELEMETRY=1
エラー報告Claude Code 自体のエラーメッセージ(秘密の値・パス・メールアドレスなどの既知の形は送る前に伏せる)DISABLE_ERROR_REPORTING=1
/feedback の報告コードを含む会話の記録(自分で送ったときだけ)DISABLE_FEEDBACK_COMMAND=1
セッションの評価の質問評価の値(記録の共有は Yes のときだけ)CLAUDE_CODE_DISABLE_FEEDBACK_SURVEY=1
上のうち必須でない通信すべて—CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC=1

Amazon Bedrock・Google Cloud・Microsoft Foundry 経由で使う場合は、利用状況・エラー報告・/feedback は最初から無効です。公式ドキュメントは、DISABLE_TELEMETRY や CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC を設定すると機能の切り替えの判定も止まり、Remote Control が使えなくなることがある、とも注意しています。

これらの環境変数は学習を止める設定ではありません。学習を止めたいなら2章のアカウントの設定、外へ出る通信を減らしたいならこの章の環境変数、と分けて考えます。会社の PC で環境変数や設定ファイルを勝手に変えられない場合は、情報システムの担当者に相談するのが安全です。

7. 手元のPCに残る会話の記録

見落としやすいのが、自分の PC に残る記録です。公式ドキュメントによると、Claude Code はセッションを再開できるように、会話の記録を ~/.claude/projects/ の下に平文(暗号化しない形)で保存し、既定では30日で消します。この期間は設定の cleanupPeriodDays で変えられます(Claude のデスクトップアプリや Cowork で始めた・続けたセッションは、既定ではこの期限の対象外)。

学習の設定をオフにしても、この手元の記録は残ります。機密情報を扱った PC を人と共有する、バックアップに含める、といった場合は、この場所に会話の中身が残っていることを覚えておきます。

8. 機密情報を扱うときの選び方

ここまでの内容から、機密情報を扱うときの考え方をまとめます。どれが正しいかは会社の規程や契約で変わるので、最終的には社内のルールに従ってください。

  • 個人プランで使うなら:プライバシー設定をオフにする。オフでも30日は保存され、安全の確認の対象になることを前提にする。
  • 評価ボタンや /feedback を押さない:オフにしていても、押した会話は5年保存され、学習や改善に使われうる。
  • 会社として使うなら:Team・Enterprise か API(商用の契約)を検討する。学習に使われない扱いが契約で決まり、管理者が評価ボタンを無効にするなどの管理もできる。
  • 保存も避けたいなら:API の ZDR を検討する。ただし Covered Models(Fable など)は30日の保存が必要なので、使うモデルとの兼ね合いを確かめる。
  • そもそも入れないもの:パスワードや API キーなどの秘密の値は、どのプランでもプロンプトや会話に入れない。

AI に入力してよい情報の考え方全般は「AIのプロンプトに入力してはいけない情報」、会社で使うときのルール作りは「企業のAI利用ガイドライン」で詳しく扱っています。

まとめ

Claude Code のデータが学習に使われるかは、プランとアカウントの設定で決まります。Free・Pro・Max の個人プランでは、claude.ai のプライバシー設定でモデルの改善への利用をオフにすれば、これからの会話は学習に使われません。設定は Web 画面にあり、Claude Code を動かす PC の設定ファイルを変える必要はありません。

ただし、オフにしても過去の学習からは取り除かれず、👍👎 の評価や /feedback で送った会話、規約違反と判定された会話は別の扱いで残ります。Team・Enterprise・API などの商用の契約では、最初から学習に使われず、API の入出力は標準で30日以内に削除されます。さらに保存を避けたい組織には ZDR がありますが、Fable などの Covered Models は30日の保存が必要です。

利用状況やエラー報告の送信は学習とは別の話で、環境変数で止められます。機密情報を扱うなら、まずアカウントの設定と評価ボタンの扱いを確かめ、会社として使うなら商用の契約を検討するのが確実です。

FAQ

Q. Claude Code の設定ファイルや環境変数で学習を止められますか?

A. 止められません。学習に使うかどうかはアカウントのプライバシー設定(個人プラン)か、契約の種類(商用)で決まります。DISABLE_TELEMETRY などの環境変数が止めるのは利用状況やエラー報告の送信で、学習の設定とは別です。

Q. 設定をオフにすれば、過去の会話も学習から消えますか?

A. 今後の学習には使われませんが、すでに始まった学習や学習済みのモデルからは取り除かれません。プライバシーセンターは、保存済みの会話を今後の学習に使うのをやめる、と説明しています。

Q. Pro プランから API キーに切り替えれば学習されませんか?

A. API キー(商用の契約)で使う場合は、既定で学習に使われません。ただし、個人プランでも設定をオフにすれば学習には使われないので、学習だけが理由なら切り替える必要はありません。料金の仕組みが変わる(API は使った分だけの従量課金)点に注意します。

Q. 学習に使われないのに、なぜ30日保存されるのですか?

A. 保存と学習は別だからです。保存はサーバーにデータが残っている期間で、会話の履歴の表示や再開、利用規約の違反の検知と対処、法令への対応などのために残ります。学習はそのデータを新しいモデルの材料に入れることで、商用の契約や設定をオフにした個人プランでは行われません(4章)。

Q. API の入出力はどれくらい保存されますか?

A. 標準では受け取りまたは生成から30日以内に自動で削除されます。利用規約違反と判定された場合は入出力が最長2年、Files API など利用者が保存を管理する機能は、その機能の保存期間に従います。ZDR の契約があれば、応答を返した後に保存されません(Covered Models を除く)。

Q. 会社の PC で設定を変えずに学習を止めたいときは?

A. 個人プランなら、claude.ai の Web 画面(スマートフォンのアプリでも可)のプライバシー設定で止められます。学習の設定はアカウントにあるので、Claude Code を動かしている PC の設定を触る必要はありません。

出典

いずれも2026年10月4日に原文を確認しました。プライバシーの方針や対象のモデルは変わることがあるので、契約や重要な判断の前には各ページの最新の内容を確かめてください。

OpenAI 側の設定も確認したい場合は、ChatGPT・Codex の学習設定と機密情報のリスクをご覧ください。Codex の環境を学習に使う独立設定について、公式の説明と実際の画面で確認できた範囲も分けて整理しています。