ChatGPT や Codex に入力した会話・コードは、個人プランでは設定によってモデルの学習に使われます。Pro に加入していても、自動的に学習対象から外れるわけではありません。一方、学習の設定がオンだったことだけで、機密情報が他人に漏れたとは判断できません。

会話・タスク

同じアカウントの設定で確認

ChatGPT の「モデル改善に協力する」が、個人プランの Codex にも適用。オフにした後の新しい会話・タスクが対象です。

Codex の環境

別の設定を確認する

公式には Include environments があります。会話・タスクをオフにしても、この設定は変わりません。

保存・人による確認

学習オフ ≠ 全データ削除

安全対策やサポートなどの保存・閲覧は別。学習への利用を止める操作と、保存データを消す操作を分けます。

出典:OpenAI のデータコントロール、個人向けサービスのデータ取扱い。2026年10月4日確認。

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1. 初期設定とプランの違い

個人プランと業務向け契約では、学習の既定値が違います。過去にオフにしたアカウントまで現在オンだという意味ではありません。公式:履歴を残して学習を止める。

個人 Free・Plus・Pro

既定でデータ共有がオン

ChatGPT のデータコントロールでオプトアウト可能。有料の Pro も同じ扱いです。

個人プランの Codex では、会話・タスクは ChatGPT と同じ設定。環境の学習は別に確認します。

Business・Enterprise・Edu/API

既定で学習に使われない

所属ワークスペースと、組織の保存・アクセス方針を確認します。API では組織でデータ共有を有効にしていないかも確認します。

学習しないことと、処理・保存しないことは別です。

API では組織の所有者がデータ共有を有効にできます。公式:サービス別の学習への利用。

2. ChatGPT と Codex の設定を確認する

個人プランの Codex についても、まず確認するのは Codex にログインしているものと同じ OpenAI アカウントです。ブラウザの ChatGPT と Codex アプリで別アカウントを使っていれば、片方の確認だけでは足りません。

  1. アカウントを照合ChatGPT と Codex のログイン先・ワークスペースを確かめる。
  2. 設定を開くChatGPT の「設定」→「データコントロール」へ。
  3. スイッチを確認「モデル改善に協力する」の状態を見る。
  4. 本人が判断学習を止めるならオフにして保存。すでにオフなら変更不要。

この設定が適用される範囲

同じアカウント → 端末をまたいで適用

ChatGPTオプトアウト後の新しい会話
個人プランの Codexオプトアウト後の新しいタスク

別アカウントの設定は変わりません。Include environments と、自分から送るフィードバックの例外は別に確認します。

公式の説明では、この選択はログインしているアカウントに紐づき、端末間で適用されます。Privacy Portal の「Do not train on my content」でも、会話と Codex タスクの学習を拒否できます。両方で手続きする必要はありません。対象はオプトアウト後の新しい会話・タスクです。公式:設定手順と Codex への適用。

ただし、この操作は次章の Include environments を変更しません。設定を確認した記録は「アカウントAの会話・タスク設定はオフ」「環境の設定は確認できず」のように分けると、未確認部分を見失いません。複数アカウントを持つ場合は、それぞれで本人が確認してください。

3. Include environments が見つからない場合

Include environments は、Codex の環境を学習に使ってよいかを管理する独立した設定です。対象ファイルの完全な一覧、ローカル・クラウドの詳細な範囲、現在の既定値は、今回確認した資料では公表されていません。公式:Codex の独立した設定。

今回の画面確認で分かったこと

文書で確認公式ヘルプには、独立した Include environments の説明が残っています。
画面で確認公式リンクの移動先は「旧Codex Cloud」。環境設定には差分表示・ブランチ形式があり、該当するスイッチは表示されませんでした。
状態は不明このアカウントでの設定場所・オン/オフは確認できませんでした。非表示を「オフ」「廃止」とは判断できません。

クラウド環境が0件でも、学習設定がオフの証明にはなりません。設定を探すために新しい環境を作る方法は勧めません。

画面確認の条件・試した経路・確認できない範囲

公式資料は「full environments」、別の資料は「additional context from your Codex environments」と説明しています。会話の文章だけより広い環境の文脈を扱うことは読み取れますが、完全な対象一覧や適用範囲は確定できません。

2026年10月4日、Windows のブラウザで個人 Pro アカウントを使い、利用者本人が画面を開いた結果を、提供された画像で確認しました。AI が設定を変更する操作は行っていません。ブラウザ・アプリの版番号は取得していません。

  1. 公式ヘルプ内の Codex settings のリンクから「旧Codex Cloud」へ移動。
  2. 「環境設定」に差分表示とブランチ形式はあるものの、Include environments は非表示。
  3. 過去の利用者の案内にあったデータ設定の URL は、このアカウントでは ChatGPT のトップ画面へ移動。

文書に記載があることと、このアカウントで設定画面へ到達できることが一致していません。旧・新クラウド環境の移行は公式に案内されていますが、それだけで非表示の理由を説明できるわけではありません。全ユーザーで消えているとも断定できません。公式:クラウド環境。

公式への問い合わせで確かめる項目

確認が必要なら、公式サポートへ「現在の設定画面の場所」「自分のアカウントでの状態」「既定値」「ローカルと新旧クラウドへの適用範囲」を質問するのが具体的です。タスクのコードや機密の会話を送らず、画面名とリダイレクト先だけで状況を説明できます。回答がない間は、状態不明のまま扱います。

4. オンだった場合、どの程度危険なのか

学習の設定がオンでも、「すべての会話が学習済み」「第三者に漏れた」とまでは分かりません。まず、リスクの経路を分けて考える必要があります。

人による内容確認は、公式に認められている

必要な範囲でアクセスするのは、権限を持つ限られた職員と、守秘義務を負うサービス提供者です。アクセス制御・記録を行うとされていますが、人が一切見ないという説明ではありません。

学習を拒否した場合

モデル改善への利用は除外

通常のオプトアウトで止めるのは、モデルを改善するための扱いです。

それでも残る目的

安全対策・サポート・法的対応

不正利用やセキュリティの調査など、必要な内容確認までなくなるわけではありません。

公式:人によるアクセスの目的と制限。

個人情報の除去には対策があるが、完全ではない

Privacy Filter の役割

識別・マスクする対策 ≠ 機密をすべて除去する保証

識別の対象氏名・住所・メールアドレス・API キーなど
残る限界文脈や言語による見落とし。未公開の設計・事業計画がすべて除かれる保証はない。
公式が説明する Privacy Filter の利用と限界

OpenAI は、学習が有効な会話の処理に、個人情報を識別・マスクする Privacy Filter の内部版を使っていると公表しています。氏名、住所、メールアドレス、API キーなどが対象ですが、言語や文脈によって見落としや誤判定が起こり得ます。未公開の設計、アルゴリズム、事業計画をすべて機密として取り除く保証でもありません。公式:ChatGPT のプライバシー保護、公式:Privacy Filter の対象と限界。

学習データの抽出研究はある。ただし個別の漏洩確率は出せない

2023年の研究が示したこと

学習した文面を再出力する現象

当時の ChatGPT の出力を、研究者が集めた公開 Web の文章と照合しました。

この研究からは言えないこと

自分の非公開会話が漏れた証拠

現在のモデルで、個別の会話が漏れる確率も算出できません。

原論文と検証方法:何を照合した研究なのか

研究者が2023年に公開した研究では、当時の ChatGPT から、学習由来と考えられる文章やコードの一部を取り出す現象が示されました。これはモデルが学習した文面を再出力する可能性を考えるうえで重要です。原論文:Scalable Extraction of Training Data from (Production) Language Models。

ただし、研究で一致の確認に使ったのは、研究者が集めた公開 Web の大規模な文章データです。「出力が公開ページの文章と一致した」という証拠は、非公開の利用者チャットを抜き取れた証拠にはなりません。当時のモデル・手法の結果から、現在のモデルで自分の会話が漏れる確率を算出することもできません。研究者本人による検証方法の説明。

したがって、危険度は「オンだった」という設定だけで何%と示すより、入力した内容が他人に知られたときの影響で優先順位を決めるほうが実用的です。以下は漏洩確率の判定ではなく、対応を考えるための整理です。

5. 機密情報を入力していた場合の対応

  • 有効なキー・パスワード・秘密鍵操作・課金・データ取得に直結し得る
    本人が利用記録・権限を確認。対象の認証情報の失効・交換を判断します。
  • 顧客情報・契約上の機密本人・組織への影響と情報管理上の義務
    送った範囲を整理し、契約と組織の窓口に沿って対応します。
  • 未公開のソースコード・企画設計・営業上の情報が知られる影響
    学習設定と提供範囲を確認。今後の開発用データを必要な範囲に切り分けます。
  • 家族の氏名・住所・健康・予定本人の特定、私生活・第三者のプライバシー
    会話・ファイル・メモリ・共有先を区別して確認します。
  • 公開済みコード・架空のサンプル追加で露出する情報は比較的小さい
    実際の秘密や個人情報が、サンプルに混ざっていないか確認します。

上の並びは漏洩確率の順位ではありません。例えば、すでに失効したキーと、現在も広い権限を持つキーでは対応の急ぎ方が違います。また、短い断片でも氏名・勤務先・予定の組み合わせで個人を特定できる場合があります。

認証情報は、設定をオフにするだけでは保護し直せない

キーを入力していた場合は、AI にもう一度貼り直さず、本人がサービス側の権限・利用記録・有効期限を確認します。OpenAI は、漏れた可能性のある API キーについて、交換と利用状況の確認を案内しています。公式:API キーの安全対策。

通常の交換なら、次の順で停止の影響を抑えられます。

  1. 新しいキーを作る必要な権限・有効期限で用意。
  2. 利用先を更新するアプリやサービスの参照先を変更。
  3. 動作を確認する新しいキーで動くか確認。
  4. 古いキーを失効旧キーの利用を止める。

不正利用が起きている場合は、先に失効・権限停止などの封じ込めが必要なこともあります。これは秘密情報管理の一般的な対応であり、学習がオンだった全員に一律の交換を求めるものではありません。OWASP:秘密情報の失効・更新。

入力した範囲と、実際の被害の兆候を分けて整理する

  • 入力の範囲何を・どのサービスとアカウントに・いつ頃渡したか
  • 設定の記録いつ確認し、何がオン/オフ/不明だったか
  • 被害の兆候不審な操作・利用・課金があるか

秘密そのものを新しい相談文や公開コメントに複製する必要はありません。漏洩の兆候がない場合も、学習利用の可能性と入力範囲は別々に残してください。

サポートや Privacy Portal に相談する場合は、手続きの対象と可能な措置を尋ねます。「削除申請すれば過去に学習したモデルからも完全に消える」とは約束できません。公開された方針だけから、個別の会話が選ばれたか、学習が完了したかも確認できません。公式:プライバシー方針と請求の窓口。

6. オフ・削除・一時チャットの限界

👍・👎 の評価には例外がある

学習オフでも、評価に紐づく会話全体が学習に使われる場合があります。機密を含む会話では、通常のオプトアウトと自分から送る評価を分けて考えます。

機密を含む会話では、設定オフだけを根拠に評価を送らないようにしてください。公式:オプトアウト後のフィードバック。

会話の削除と、ファイル・メモリの削除は別

会話

削除 ≠ アーカイブ

削除後、通常30日以内にシステムから削除。安全・法的理由などの例外があります。

ファイル

保存先を別に確認

Library のファイルは会話と別管理。会話を消しても同時に消えるとは限りません。

メモリ

会話を消しても残り得る

保存メモリは個人化のための情報。管理画面で別に確認します。

保存の例外・配置先・同じアカウントのメモリ参照

ChatGPT の保存した会話は、削除するとアカウントから直ちに取り除かれ、通常は30日以内にシステムから削除されます。ただし、すでに匿名化・アカウントとの関連付け解除が済んだ場合や、安全・法的な理由で保持する場合などの例外があります。アーカイブは削除ではありません。

また、Library に保存されたファイルは会話とは別に管理されます。会話を消しても、そのファイルが同時に消えるとは限りません。プロジェクトやカスタム GPT のファイルも、配置先に応じた扱いがあります。公式:ChatGPT の会話とファイルの保存。

メモリは回答の個人化に使う仕組みで、学習設定とは別です。会話を削除しても、そこから作られた保存メモリは自動的に消えないため、保存メモリの管理も別に確認します。同じアカウントを複数人で使い、別の人の予定が回答に出たとしても、それだけで「学習を通じて第三者に漏れた」とは判断できません。まず同一アカウント内の履歴・メモリの参照と、モデル全体の学習を分けて調べます。公式:メモリの管理と学習の違い。

一時チャットは、保存に切り替えると扱いが変わる

一時チャットのまま学習には使われず、通常の履歴・新しいメモリに残らない。安全対策で最大30日保持される場合があります。
保存して通常の会話へ切り替え後は、そのアカウントの設定に従います。

現在の公式説明では、一時チャットでも個人化を選ぶと既存のメモリなどを使うことがあります。一時チャットを「送信しないモード」や、Codex の全タスクに使える保証として扱わないでください。公式:一時チャットの扱い。

7. 開発で機密情報を渡しすぎない工夫

手元の PC

コマンド・ファイル操作

ローカルで実行する処理があります。

クラウド上のモデル

必要なコード・文脈の送信

モデルへのリクエストは別の通信です。ローカル実行だけで「端末から出ない」とは言えません。

公式のセキュリティ説明も、コマンド用のネットワーク制御と、クライアントのモデル・認証リクエストを区別しています。公式:承認・セキュリティと通信の境界、Codex の利用形態。

相談前に小さくする例

本番データ → 架空の2件で再現

保存の不具合実在の利用者のレコードを、架空の入力に置き換える。
API 連携の不具合キーの値を伏せ、エラーの種類・権限・設定項目名で説明する。

設計相談では、顧客名・内部 URL・未公開の数字を置き換えても判断できる場合があります。

  • 会話に渡すもの:再現に必要なコード、架空の入力、期待する結果。実在の氏名や有効な秘密は除く。
  • 開発環境に置くもの:本番用の認証情報や私的な書類を、作業に不要な範囲まで一緒に扱わせない。
  • 外部へ送るもの:公開リポジトリ、共有リンク、プラグイン、ログの提出先をそれぞれ確認する。
  • 契約で決めるもの:組織の利用方針や顧客との合意に従う。学習オフだけで、禁止された外部提供を許可されたことにしない。

これらは入力範囲を減らすための工夫であり、学習設定やアクセス管理の代わりではありません。設定が確認できない項目があるときほど、必要な情報だけを渡す運用が役立ちます。具体例はAI に入力するときの注意点、ツールの違いはClaude Code と Codex の比較、Claude 側の設定はClaude Code の学習を止める方法で整理しています。

FAQ

Pro なら、会話やコードは学習されないのですか?

いいえ。個人 Pro は既定でデータ共有が有効です。Business・Enterprise・Edu や API の「既定で学習しない」という扱いと分けてください。

ChatGPT でオフにすれば Codex も全部オフになりますか?

同じアカウントの個人プランで、新しい Codex 会話・タスクの学習を止める設定として適用されます。ただし、Include environments は別設定で変更されません。自分から送るフィードバックの例外もあります。

Include environments が見えないなら、オフと考えてよいですか?

いいえ。今回は場所と状態を確認できませんでした。表示がない理由や既定値は、公開資料と提供された画面だけでは判断できません。

オンだったと気づいたら、全チャットを消すべきですか?

まず内容と影響を整理してください。一律の全削除は必要な記録まで失わせます。今後の学習設定、認証情報の対応、対象の会話・ファイル・メモリの整理を別々に判断します。削除による過去の学習の取り消しは保証できません。