Codexを動かしているPCがスリープすると、RemoteからそのPCを使う作業は続けられません。Codex Cloudへ送った作業は、手元PCが眠っていても続けられます。判断するのは、スマホで開いているかどうかよりも、ファイルを読み、コマンドを実行する場所です。

PCを閉じる前に、実行場所を見る

Remote:接続先PCで作業

スマホから指示・承認
↓
起きているMac/Windows PC
↓
そのPCのファイル・開発環境

接続先PCが眠ると、アクセス停止

Cloud:クラウドで作業

Web・スマホ・PCから依頼
↓
公開済みの開発環境を選ぶ
↓
クラウドの作業領域・ツール

手元PCが眠っていても継続可能

Remoteの接続先が別の常時稼働PCなら、そのPCの状態が条件です。Cloudにも承認待ち・実行エラーなどの停止要因はあります。

2026年10月7日にOpenAI公式のRemote connections、Cloud environmentsなどを原文で確認しました。本記事ではPCのスリープや接続の切断を実機再現していません。公式仕様に沿った選び方と確認手順を扱います。

1. Local・Worktree・Remote・Cloudの違い

LocalとWorktreeは、どちらもPC上で動きます。WorktreeはGitの作業領域を分ける機能で、クラウドへ実行を移す機能ではありません。Remoteは別の端末から実行先へアクセスする経路、Cloudはクラウドの開発環境を実行先に選ぶ方式です。

方式ファイル・コマンドの実行先PCをスリープさせる場合
Local選んだPCのプロジェクトフォルダそのPCでの処理継続を前提にしない
Worktree同じPCに作った別のGit作業領域Localと同じ
作業領域の分離は電源条件を変えない
Remote接続先のMac/Windows PCと、そのPCから使う環境接続先PCは起きていて、オンラインで、アプリが動いている必要がある
Codex Cloud公開済み環境から作るクラウドの作業領域手元PCが眠っていても作業を継続できる
SSHのリモートプロジェクトSSH接続先のファイルシステムとシェルスマホからはデスクトップアプリのホストを経由する
サーバーだけの稼働で接続を保証しない

出典:Codex environments、Remoteで接続先から使うもの。PCがホストであることは、モデルの計算や通信まで完全に端末内で完結するという意味ではありません。

たとえば、自宅の常時稼働PCへスマホから接続するなら、持ち歩くノートPCの電源は条件になりません。一方、ノートPC自身がRemoteの接続先なら、それを眠らせた時点でアクセスできなくなります。「自分のPC」という表現だけで判断せず、選択したホスト名と作業場所を確認してください。

2. 画面を閉じる・スリープ・アプリ終了は別

「閉じても続くか」は、何を閉じるかで答えが変わります。スマホの表示画面、ノートPCのふた、接続先PCのアプリを区別します。

スマホの画面を離れる

指示・確認の入口を離れた状態。実行先PCが使えるかとは別で、後から同じタスクへ戻って結果を確認します。

接続先PCがスリープする

Remoteのアクセスは停止。スリープを防ぐ設定は、眠ったPCを自動で起こす保証ではありません。

接続先のアプリを終了する

公式はRemoteが止まる条件として挙げています。ウィンドウを閉じたときにアプリ自体が終了するかは、OSとアプリの状態で確認します。

OpenAIのRemoteガイドは、接続先がスリープした場合、ネットワークを失った場合、アプリを閉じた場合、利用可能になるまでRemoteアクセスが止まると説明します。切断後、実行中のコマンドがどこまで進み、再接続でどの処理が自動再開するかは、この説明だけでは確定しません。タスクの最終記録、変更差分、テスト結果を別々に確認する必要があります。

Macのふたを閉じる場合

公式は、Macノートではふたを開き、電源へ接続するとRemoteを利用可能な状態に保てると案内します。ふたを閉じる場合は外部ディスプレイも接続する条件を示し、明示的にSleepを選べばRemoteが止まると書いています。「ふたが閉じている」と「本体がスリープしている」は同じ状態とは限りません。この条件をすべてのMac機種の動作保証として広げないでください。

Windowsの画面操作を使う場合

WindowsでComputer Useを使う仕事は、セッションをロックせず利用可能にすることが公式の条件です。画面操作は前面で実行されるため、そのPCを作業用に確保する前提になります。これはWindowsの画面操作についての条件であり、すべてのコマンド実行が画面ロックで必ず停止する、という説明ではありません。

出典:Remote:接続するPCの条件。CLIやIDE拡張で始めた処理も、ターミナルの終了・OSのスリープ・開発ツールの終了を混同しないことが大切です。本記事はそれらの実行プロセスが終了後も存続することを保証しません。

3. スマホから手元PCの続きを進める手順

既存のローカルリポジトリ、導入済みツール、ブラウザのログイン状態を使いたいならRemoteが候補です。スマホは指示、承認、結果確認に使い、環境は接続先PCから提供されます。公式ガイドの手順は次のとおりです。設定を操作するのは、対象PCへのアクセスを許可する本人です。

  1. 同じアカウント・ワークスペースを確認する。最新のChatGPTデスクトップアプリがMac/Windowsで動き、PCが起きていてオンラインであることを確かめます。組織ではRemote Controlを管理者が許可する必要がある場合があります。
  2. PC側で接続の設定を開く。Settings → Connections → Control this Mac or PCからSet upまたはAddへ進み、アクセス許可と必要な本人確認を行います。
  3. スマホでQRコードを読み取る。ChatGPTアプリで接続を完了します。必要に応じてMFA・SSO・パスキーの確認があります。接続はスマホとホストの組ごとに設定します。
  4. スマホでCodexを開く。iOSではCodex、旧ラベルの画面ではRemoteを開きます。Androidを含め、表示と利用可否は提供状況によって変わります。対象ホストと既存チャットを選びます。
  5. 送った指示と結果の両方を確認する。進捗、差分、端末出力、テスト結果を見ます。許可が必要な操作では承認依頼を確認し、同じ依頼を連打しないでください。

出典:準備条件と接続手順。このモバイル接続の設定はデスクトップアプリから始めます。CLIやIDE拡張だけで同じ設定を行えるという案内ではありません。

Remoteは接続先の認証情報、プラグイン、ブラウザ環境、権限を使います。どのPCを許可するかは作業範囲にも関わります。画面操作やブラウザ拡張を、接続のために一律に追加する必要があると考えず、必要な仕事と権限を先に決めてください。

4. PCを休ませたいときのCodex Cloud

PCを眠らせながらコードの修正や調査を続けたい場合は、クラウドで使えるリポジトリ・依存関係・テスト環境を用意します。スマホからも作業を開始・継続できますが、先に公開済みの開発環境へアクセスできることが条件です。

準備 → 開発環境の公開 → タスク開始
  1. WebかデスクトップでWork in → Cloud → Select environment → Create environmentを選ぶ。
  2. GitHubの対象リポジトリを選び、必要なら接続する。Get startedで依存関係・ツールの準備と確認を進める。
  3. 設定、必要なアクセス、テスト結果を確認し、Publishを選ぶ。
  4. Environment publishedを確認して、Start a new taskから依頼する。
  5. 別端末からは、同じタスクを開いて結果確認や追加指示を行う。

ここでのPublishは、新しいタスク用に開発環境の準備済み状態を保存する操作です。Webアプリを一般公開する操作とは別ですが、環境の共有範囲はWho can useなどの設定で確認します。準備中にもCodexが調査・インストール・テストを行うため、「まだ開発を頼んでいないから処理は発生しない」とは扱わないでください。出典:環境の作成と公開。

クラウドに自動で持ち込まれないもの

手元にあるものCloudでの扱い
未コミットのコード手元の変更が自動転送される前提にしない
選択したリポジトリと開始状態を確認する
開発サーバー・ローカルDB手元の実行プロセスは自動移転しない
必要ならCloud側に用意する
ブラウザのログイン・VPNPCの認証状態やVPNアクセスは自動で共有されない
個人のスキルローカルの個人スキルは同期されない
リポジトリに保存したスキルは使える
公開済み環境への変更環境をRepublishしても、既存タスクが自動で新しい開始状態に変わるわけではない

出典:実行場所とリソース、保存状態の再利用。新しいタスクは公開済み環境から独立して始まり、既存タスクは自身の保存済みファイルや導入済みツールを引き継ぎます。

画面確認と保存期間の制限

現在のCloud environmentsは、Computer and browser useと、GitLab・自社ホストのGitHub Enterprise Serverを未対応に挙げています。Cloudへ送れば、いつも実ブラウザで操作検査まで済むわけではありません。コマンドで行うPlaywrightなどのテストが、必要な環境で実行できるかは別に確かめます。標準ブラウザ機能の未対応だけから、別のテスト方式が必ず使えるとも、すべて禁止とも断定しません。

保存されたVM状態は、既定で最後にターンを開始またはタスクを再開してから最大7日間回復可能と説明されています。これは「7日間ずっと自動実行する」という意味ではありません。重要なコードはcommitや必要な成果物の保存で確保し、クラウドの保存状態をソース管理の代わりにしないでください。出典:VMと保存状態、現在の制限。

設定画面のCodex Cloud (Legacy)は、Code Review、Linear、GitHub連携向けの旧環境です。新しいCloud environmentsと設定を混ぜないでください。旧ガイドのコンテナキャッシュやセットアップ用の秘密情報の説明を、新環境の保存・認証仕様として転用することも避けます。出典:Codex Cloud (Legacy)。

5. ローカルの続きは、そのままCloudへ移せる?

公式RemoteガイドにあるHandoffは、手元PCと接続済みの別ホストの間で、チャットとGit状態を引き渡す機能です。宛先に同じGitリポジトリの保存済みプロジェクトが必要で、サブディレクトリを使うなら双方で同じ場所を登録します。実行中の引き渡しは現在の応答を中断します。

このHandoffでCodex Cloud環境へ移すことは未対応と明記されています。Remoteの別ホストへの移動と、Codex Cloudへの移動は別です。PCが落ちても、進行中のCodexチャットが自動でCloudへ移るわけではありません。出典:ホスト間の引き渡し。

新しくCloudで続きを頼むなら、渡すものを明確にする
  • リポジトリと開始する版・ブランチ
  • 現在までの変更と、まだ反映していない変更
  • 成功したテスト、失敗したテスト、再現条件
  • 残る完成条件、禁止操作、外部公開の扱い

コードを共有することと、会話・実行状態を丸ごと移すことは別です。開始状態の確認を先に頼めば、既に直した箇所を重ねて変更する行き違いを減らせます。

完成条件を同じチャットで保持するCodex /goalの使い方も、実行場所やPCの電源条件を変更する機能ではありません。継続の目標と、使える実行環境を両方そろえる必要があります。

6. ChatGPT Work・dotとの違い

ChatGPT Workの「クラウドで調整し、許可されたPCのツールを使う」方式は、CodexのRemoteとは別です。公式は、Local computer access with Work Cloudを有効にした後、デスクトップアプリでCloudを選んで開始した対象の新規タスクに限ること、既存のタスクは元の方式を保つことを説明しています。

Work Cloudの対象タスク

新しいターンの開始時にPCが使えなければ、クラウドコンテナで続けられる場合がある。ただし、そのPCのファイル・ツールは使えない。ターンの途中でローカルからCloudへ切り替えることはできない。

dot本体とローカルの委任先

dot本体が後の作業をクラウドで続けても、使えなくなったPC上の子タスクが自動でクラウドへ移るわけではない。PCが必要な作業は進められない。

出典:Work CloudとRemoteの区別、Work・dotsの利用者向け条件。後者はEnterprise向けガイドで、利用可否はワークスペースと提供状況に依存します。この切り替えをすべての個人アカウントやCodexタスクへ一般化しません。

クラウドコンテナでは、ローカル実行のEnterprise要件がそのまま適用されるわけでもありません。ファイルが自動移動しないことに加え、実行先に対応した制御を確認する必要があります。dotの役割、実際に作ったアプリと検査の限界はdotの使い方・料金とCodexとの比較で扱っています。

7. 料金・利用枠と選び方

Codexの料金ページは、ローカルのメッセージとCloudタスクがプランの利用枠を共有すると説明します。Cloudタスクはローカルのメッセージより多く枠を使う場合がありますが、同じ依頼なら常に何倍という固定換算ではありません。モデル、文脈、推論、ツール利用、取得情報、キャッシュ、作業内容で変わります。

Free・Goについての料金表の説明は、デスクトップアプリでのGPT-6 Lunaの段階的提供です。それだけでCodex CloudやRemoteを無料で使えると判断しないでください。Plusの説明にはWeb・CLI・IDE・iOS、クラウド連携が含まれ、組織では管理者のアクセス設定も条件になります。機能表では、APIキーによるモバイルRemote Controlは未対応で、SSHのリモート接続とは扱いが違います。APIキー向けの料金説明はクラウド機能を含まず、APIの従量料金もサブスク内の作業件数へ直接換算できません。出典:Codexの料金・利用枠。

上限後に追加クレジットを購入する場合は別決済です。既に持つクレジットを消費することと、新しく購入・自動補充することも分けます。実行場所を変えるだけで枠が回復する仕組みではありません。Proの料金段やリセットの選び方はPro 100・200・500の比較を参照してください。

優先したいこと候補選ぶ前の確認
今のPC環境のまま外出先から指示したいRemoteホストを起こしたまま利用できるか
ブラウザ・認証・ツールはそこで使えるか
ノートPCをスリープさせたいCodex Cloud必要なコードとテスト環境をCloudに用意できるか
画面操作の制限は支障にならないか
常時稼働PCに既存環境を集めたい別ホストへのRemoteそのPCの運用、アクセス権、電源・通信費を負担できるか
SSH先の開発環境を使いたいSSHのリモートプロジェクトサーバーにCodexを導入・認証できるか
スマホ接続を仲介するホストも使えるか

SSH接続では、公式がリモート側へのCodexの導入と認証、ログインシェルのPATHにcodexがあることを求めます。公開ネットワークへ認証なしのapp-serverを露出させて接続を維持する方法は勧めていません。専用サーバー、VPN、外部サービスの料金は、Codexのプラン内利用枠とは別に確認します。

8. スマホから接続できないときの確認順

接続失敗だけで、PC内のコードや履歴が消えたと判断しないでください。次の順番なら、環境の初期化や接続情報の削除を先に行わずに切り分けられます。

  1. 対象ホストを確認する。別のPC、アカウント、ワークスペースへつないでいないか。
  2. PC側の状態を見る。スリープ、ネットワーク切断、アプリ終了、サインアウトが起きていないか。
  3. サインアウト後のRemote Controlを確認する。公式は、サインアウトでRemote ControlはOFFになるが、端末のペアリングは削除されないと説明する。再ログインだけで以前の状態へ戻るとは限らない。
  4. 承認待ちと接続失敗を分ける。Codex/Remoteの対象タスクに本人確認や承認依頼がないか。同じアカウント・ワークスペースの組を再確認する。
  5. なお直らなければ、状態と時刻を記録する。OS、アプリ版、接続先、直前のスリープ・サインアウト、表示されたエラーを控える。機密のコード、認証情報、個人情報は報告から除く。

出典:Remoteのトラブルシューティング。公式が案内する再起動や再設定を試す際は、作業中の変更と結果を先に保存します。PCを起こした後にアプリが見えることと、続きを送信できることも別の確認です。

公開GitHubには、Macがスリープから復帰した後、オンラインでもRemoteが409 Conflictで再接続できなかったという利用者の報告 #23470もあります。通常のスリープ停止以外の不具合候補があることは分かりますが、全端末の原因や推奨修復方法を確定する根拠ではありません。報告内の内部設定削除を、そのまま一般的な復旧手順にしないでください。

履歴は読めるのに送信だけ失敗し、thread not foundなどが出る場合は、保存履歴と実行状態を分ける復旧手順も確認してください。接続設定を消してやり直す前に、発生しているエラーの全文を見ます。

9. 離席前と再開後に確認すること

離席前
  • 実行先はThis computerかCloudか
  • Remoteなら接続先PCは起きているか
  • 変更・重要な成果物は保存できているか
  • テストと停止条件を明示したか
  • 公開・購入・設定変更の許可範囲は明確か
再開後
  • 同じホスト・同じタスクを開いたか
  • 最後に完了した操作と未完了の操作は何か
  • 差分とテスト結果に裏付けがあるか
  • 承認待ちや利用枠の制限はないか
  • 未完了分だけ続きを頼めるか

既存PCの環境を使うならRemote、PCを眠らせて進めたいならCodex Cloudを検討する。ただし、Cloudには移せないリソースと未対応機能があり、Remoteにはホストの稼働条件があります。「スマホで見られる」「会話が残る」「作業が実行される」「検証が完了する」を一つの状態として扱わないことが、使い分けの要点です。

FAQ

Codexを起動したノートPCを閉じても、スマホから続けられる?

そのPCがRemoteの接続先なら、起きていてオンラインで、デスクトップアプリが動いている必要があります。ふたを閉じてスリープすればRemoteアクセスは止まります。Codex Cloudのタスクなら、手元PCのスリープ中も継続できます。

スマホのCodexは、必ず自分のPCへ接続する機能?

いいえ。公開済み環境を選んでCloudタスクを開始・継続する経路も公式に案内されています。Remoteの接続先ホストと、Cloudの開発環境は別の実行先です。見えている項目はアプリと提供状況で確認してください。

PCが落ちると、Codexが自動でCloudへ引き継ぐ?

CodexのHandoffはCloud環境への引き渡しに未対応です。Work Cloudの対象タスクには新しいターンでCloudへ継続できる条件がありますが、PCのローカルファイル・ツールは使えず、進行中のターンを途中で切り替える機能でもありません。

Cloudなら、放置しても必ず完成する?

PCを起こしておく必要がないことと、完成が保証されることは別です。認証・承認・ツール不足・実行エラー・利用制限で本人の対応が必要になる場合があります。最後の報告だけでなく、成果物・差分・実行した検査・未確認事項を見て判断してください。