Google の AI「Gemini」は、無料でも使えます。お金がかかるのは、使える量や上位のモデルを増やすアプリの有料プランと、プログラムから呼び出すAPIの2つで、料金の仕組みはまったく別です。この記事では、Google の公式ページの原文(2026年10月20日確認)をもとに、料金、無料でできること、パソコン用のアプリ、コーディングでの使い方、得意なこと・苦手なこと、ベンチマークを1つずつ整理します。Gemini そのものの紹介はGoogle Gemini とはにまとめています。

無料で

会話・画像・Deep Research

無料版は Flash-Lite のモデルで、画像の生成と編集、Deep Research、Canvas も使える。動画の生成は有料プランから。

アプリの有料プラン

月725円から

Plus 725円・Pro 2,900円・Ultra 14,500円から(日本の表示)。最上位の Gemini 4 Argon は Pro 以上。

API

使った分だけ・別料金

アプリの契約とは別。軽いモデルには無料枠があるが、無料枠で送った内容は Google の製品改善に使われる。

1. Gemini の使い方は3つ——アプリ・API・開発ツール

「Gemini の料金」と言っても、どこから使うかで払い方が違います。まず3つに分けます。

使い方何をするものか料金のかかり方
Gemini アプリブラウザ(gemini.google.com)・スマホ・パソコンのアプリで、会話・調べもの・画像の生成などをする無料で使える(量を増やすなら月額のプラン:Google AI Plus・Pro・Ultra)
Gemini API自分のプログラムやサービスから Gemini を呼び出す使ったトークンの分だけ払う(軽いモデルには無料枠あり)
開発ツール(Antigravity)Google のコーディング用のアプリ・CLI・エディタの拡張で、AI にコードを書かせる無料でも使える(Google AI Pro・Ultra で上限が増える)

アプリの有料プランに入っても、API の料金は安くなりません。API は Google AI Studio や Google Cloud の請求で別に払います。

2. アプリの料金プラン

プラン月額(日本)使用量の上限使えるモデル(チャット)一度に読める長さ
無料0円基準Flash-Lite(自動選択がオンなら Flash・Pro を使うこともある)3.2万トークン
Google AI Plus725円無料の2倍Flash-Lite・Flash・Pro12.8万トークン
Google AI Pro2,900円無料の4倍Flash-Lite・Flash・Pro・Argon100万トークン
Google AI Ultra14,500円/32,000円Pro の5倍/20倍Flash-Lite・Flash・Pro・Argon100万トークン

出典:Google AI のプラン(日本の表示)、Gemini アプリのヘルプ 使用量の上限・モデルの提供範囲。2026年10月20日確認。プランのページは Plus のモデルを Flash とだけ書いているが、ヘルプの表では Pro も選べる。

月額は国や地域によって違います。日本以外から使う場合は、プランのページで自分の国の料金を確かめてください。

上限は「1日何回」ではありません。ヘルプによると、質問の複雑さ、使うモデルや機能、会話の長さから計算され、5時間ごとに回復し、週の上限に達するまで使えます。短い会話はほとんど減らず、Deep Research と動画の生成は大きく減ります。有料プランで上限に達しても、会話は Flash-Lite で続けられます。

最上位のモデル Gemini 4 Argon は、2026年10月13日にアプリに加わり、Pro と Ultra の契約者だけが使えます。プランにはクラウドの保存容量も付きます(無料15GB・Plus 400GB・Pro 5TB・Ultra 20TB から)。

3. 無料でできること・できないこと

会話・調べものFlash-Lite のモデルで使える。自動選択をオンにすると、考える必要のある質問では Flash や Pro が使われることがある。
画像の生成と編集無料でも使える(プランのページの無料欄)。
Deep Research何段階も検索して報告書にまとめる機能。無料でも使えるが、使用量の減りは大きい。
Canvas・Gem・Gemini Live文書やコードを横に開いて直す Canvas、指示を保存しておく Gem、声で会話する Live も無料欄にある。
動画の生成有料プラン(Plus 以上)から。
長い資料を読ませる無料は一度に読める長さが3.2万トークン。長い PDF や大きなファイルをまとめて読ませるなら Pro 以上(100万トークン)。
最上位のモデルGemini 4 Argon は Pro・Ultra だけ。

出典:Google AI のプラン、Gemini アプリの使用量の上限(2026年10月20日確認)。ChatGPT・Claude の無料版との比べ方は3サービスの無料枠でどこまでできるかで扱っている。

4. パソコン用のアプリ(Windows・Mac)

ブラウザで gemini.google.com を開かなくても、パソコン用のアプリから使えます。どちらも無料でダウンロードでき、アプリそのものに料金はかかりません。

MacmacOS 15 以降。Option+Space で呼び出し、画面を共有して質問できる。
Windows2026年9月10日に提供開始。キーボードのショートカットでデスクトップから呼び出せる。

出典:The Gemini app is now on Mac・The Gemini app is now available for Windows(Google の公式ブログ、2026年10月20日確認)。

使える機能とモデルは、ブラウザ版と同じく契約のプランで決まります。スマホでは Android と iPhone のアプリがあります。

5. API の料金と無料枠

API は、使ったトークンの量で払います。主なモデルの100万トークンあたりの単価です(米ドル)。

モデル無料枠入力出力
Gemini 4 Argonなし$2.00(12月1日から $4.00)$10.00(12月1日から $20.00)
Gemini 3.1 Pro Previewなし$2.00(20万トークン超は $4.00)$12.00(20万トークン超は $18.00)
Gemini 3.8 Flashあり$0.75(2027年1月1日から $1.50)$3.75(2027年1月1日から $7.50)
Gemini 3.5 Flash-Liteあり$0.30$2.50
Gemini 3.1 Flash-Liteあり$0.25$1.50

出典:Gemini Developer API pricing(2026年10月20日確認)。Gemini 4 Argon の安い単価は2026年11月30日まで、3.8 Flash は2026年12月31日まで。出力の単価には思考のトークンも含む。

無料枠の内容は製品改善に使われる料金ページの「Used to improve our products」の行は、無料枠が Yes、有料枠が No。無料枠で、人に見られて困る内容を送らない。
Batch は半額急がない処理をまとめて送る Batch と Flex は、通常の半額。
Google 検索を使った回答Gemini 3 以降のモデルで月5,000件まで無料、それを超えると1,000件ごとに $14。
無料枠の上限1分・1日あたりの回数は、Google AI Studio の画面で確かめる(公開のページには数字が載っていない)。

出典:Gemini Developer API pricing・Rate limits(2026年10月20日確認)。

6. コーディングに使う——Antigravity

Gemini は会話だけでなく、コーディングにも使えます。アプリの Canvas でも小さなコードは書けますが、本格的に使うなら Google の開発ツール Antigravity です。アプリ・CLI(ターミナルで使う形)・エディタの拡張がそろっていて、AI がファイルを読んで書き換え、コマンドを実行して作業を進めます。

Gemini CLI は個人では使えなくなりました。Google は2026年6月18日に、無料の利用者と Google AI Pro・Ultra の利用者に向けた Gemini CLI と Gemini Code Assist の拡張の提供を止め、後継の Antigravity CLI へ移しました。古い記事の「Gemini CLI は無料で使える」は、いまの個人の利用には当てはまりません。

出典:An important update: Transitioning Gemini CLI to Antigravity CLI(Google for Developers Blog、2026年5月19日)。

プランAntigravity の上限使えるモデル
無料・Plus1週間ごとに回復する上限Gemini 3.8 Flash など
Google AI Pro5時間ごとに回復(週の上限まで)・週の上限も高いGemini 4 Argon、Claude Opus 5.5・Sonnet 5.5 なども
Google AI Ultraいちばん多いPro と同じ(ほかの会社のモデルも)

出典:Antigravity のドキュメント Plans・FAQ(2026年10月20日確認)。上限の具体的な回数は公表されていない。日本でも使えるが、18歳以上が条件。

コードの補完(Tab)は、どのプランでも上限なしです。Pro・Ultra では Gemini だけでなく Claude のモデルも Antigravity の中で選べます。

7. 得意なこと・苦手なことと、ベンチマーク

Google が発表した数字

Google は、最上位の Gemini 4 Argon を GPT-6 Astra・Claude Fable 5.1・Claude Opus 5.5 と比べた表を出しています(Google 自身の数字)。一部を抜き出します。

評価Gemini 4 ArgonGPT-6 AstraClaude Fable 5.1Claude Opus 5.5
DeepSWE v1.1(コーディング)77.9%74.1%67.4%74.2%
Terminal-bench 4.0(ターミナルでの作業)57.4%58.2%57.9%66.4%
LVBench(長い動画の理解)91.7%87.5%79.7%83.7%
Vals Index(仕事の作業)68.9%63.1%65.8%67.0%

出典:Gemini(Google DeepMind、2026年10月20日確認)。思考の設定は表に書かれていない。

第三者の評価

出典:Artificial Analysis のモデルの一覧・Gemini 4 Argon のページ(2026年10月20日確認)。値は今後変わりうる。

得意なこと・苦手なこと

得意:費用の割に賢い第三者の総合点で Argon は GPT-6 Astra と同じ53点、1回の作業の費用は Astra の約6割、Claude Opus 5.5 の約3分の1。
得意:長い動画・長い資料Google の発表では、長い動画の理解(LVBench)で比べた3モデルを上回った。アプリの Pro 以上と API では100万トークンまで一度に読める。
得意:Google のサービスとの連携Gmail・Google ドライブ・Google 検索とつないで使える(詳しくはGoogle Gemini とは)。
苦手:ターミナルでの長い作業Google 自身の表でも、Terminal-bench 4.0 では Claude Opus 5.5 に約9ポイント届かない。
苦手:返事の速さArtificial Analysis の測定で、Argon の出力は毎秒約84トークン。比べたモデルの中では速いほうではない。
無料版は別もの上の数字は Argon や Flash のもの。無料のアプリはふだん Flash-Lite で答えるので、同じ性能は出ない。

8. どれを使えばいいか

  1. まず無料のアプリで試す会話・調べもの・画像の生成なら無料で足りることが多い。パソコンでは Windows・Mac のアプリが便利。
  2. 長い資料や仕事で毎日使うなら Pro月2,900円で、100万トークンまで読めて、最上位の Argon も使える。Plus(725円)は量を2倍にしたいだけの人向け。
  3. コーディングは Antigravity無料でも試せる。毎日使うなら Pro で上限を増やす。
  4. 自分のサービスに組み込むなら API軽いモデルは無料枠で試せるが、無料枠の内容は製品改善に使われる。本番は有料枠にする。

ChatGPT・Claude との使い分けはChatGPT・Claude・Gemini の選び方、アプリで「エラーが発生しました (13)」が出たときはエラー13の対処法で説明しています。

まとめ

  • Gemini は無料で使える。有料はアプリのプラン(月725円・2,900円・14,500円から)と、使った分だけ払う API の2つで、仕組みは別。
  • 無料版は Flash-Lite のモデルで、画像の生成、Deep Research、Canvas も使える。動画の生成と最上位の Argon は有料プランから。
  • 上限は回数でなく計算量で決まり、5時間ごとに回復して週の上限まで使える。
  • パソコン用のアプリは Windows と Mac の両方にあり、無料でダウンロードできる。
  • API は軽いモデルに無料枠があるが、無料枠で送った内容は製品改善に使われる。
  • コーディングは Antigravity。個人向けの Gemini CLI は2026年6月18日に終わった。
  • 第三者の総合点で Argon は53点。費用の割に賢く、長い動画が得意。ターミナルでの長い作業は Claude Opus 5.5 に届かない。

FAQ

Q. Gemini はずっと無料で使えますか?

A. 2026年10月20日の時点では、Google アカウントがあれば無料で使えます。無料版の上限は5時間ごとに回復し、週の上限に達するまで使えます。

Q. 有料プランに入れば API も使い放題になりますか?

A. なりません。アプリのプランと API の料金は別です。API は Google AI Studio や Google Cloud で、使った分を払います。

Q. 無料版と有料版で答えの賢さは変わりますか?

A. 変わります。無料版はふだん Flash-Lite で答え、Plus では Flash と Pro、Pro・Ultra では最上位の Argon も選べます。一度に読める長さも、無料の3.2万トークンから Pro 以上の100万トークンまで差があります。

Q. 仕事の情報を入れても大丈夫ですか?

A. 使い方によって扱いが違います。API の無料枠は製品改善に使われると料金ページに書かれています。会社で使うなら、勤め先の決まりと、仕事用の Google アカウントでの扱いを確かめてからにします。

出典