Claude Code を動かすのに必要な PC は、公式の動作要件ではメモリ 4GB 以上・x64 か ARM64 の CPU・インターネット接続です。高性能な PC は要りません。Claude Code の頭脳にあたるモデルは Anthropic のサーバーで動くので、Claude が考えて書いている時間は、PC を買い替えても短くなりません。OpenAI の Codex も、モデルは OpenAI のサーバーで動くので同じです。

一方で、Claude Code は手元の PC でコマンドを実行します。ビルド・テスト・ファイルの検索・Docker のような処理は PC の性能に左右されます。この記事では、公式の動作要件と、筆者の環境で測った作業時間の内訳をもとに、速さが PC で変わる所と変わらない所を分けて説明します。Codex の動作環境(Windows のサンドボックスの条件など)と、アプリが重いときの対処、「遅い」と感じたときの切り分け方もまとめました。

PC で変わらない

モデルが考えて書く時間

サーバー側で動く。速くしたいときは高速モードなど料金で買う。

PC で変わる

手元で走るコマンド

ビルド・テスト・検索・Docker。筆者の測定では作業時間の約半分。

足りないと困る

メモリ

最低は4GB。Docker や複数のセッションを同時に動かすなら余裕が要る。

1. 公式の動作要件

Claude Code のセットアップのドキュメントに書かれている動作要件は次のとおりです(2026年10月24日確認)。

項目公式の要件
OSmacOS 13.0 以降/Windows 10 1809 以降・Windows Server 2019 以降/Ubuntu 20.04 以降・Debian 10 以降・Alpine Linux 3.19 以降
メモリ4GB 以上
CPUx64 か ARM64(Apple シリコンの Mac も対象)
ネットワークインターネット接続が必須
Node.js不要(npm で入れる場合だけ Node.js 22 以降が要るが、動くのは同じネイティブのプログラムで、実行中に Node.js は使わない)

GPU(グラフィックボード)の要件はありません。モデルは手元で動かないからです。インターネット接続が必須なのも同じ理由で、オフラインでは使えません。

Codex の場合

Codex は、ChatGPT のデスクトップアプリ(Windows・macOS)、CLI、エディタの拡張機能で使えます。公式のドキュメントには、メモリや CPU の数字は書かれていません(2026年10月24日確認)。モデルは OpenAI のサーバーで動くので、GPU も要りません。

条件がはっきり書かれているのは、Windows でコマンドを安全に実行する仕組み(サンドボックス)です。Codex は Windows のまま PowerShell で動かすか、WSL 2 の中で動かせます。Windows のままのときのサンドボックスは3種類あります(Codex「Windows sandbox」、2026年10月24日確認)。

サンドボックス条件位置づけ
MXCWindows 11 の 24H2(ビルド 26100.9278 以降)か 25H2(ビルド 26200.9278 以降)で、Microsoft の MXC の機能が入っていること推奨(管理者の承認やファイアウォールの設定が要らない)
elevated管理者が承認する初期設定が要るMXC が使えないときの第一の代わり
unelevated組織の方針で許されていること最後の代わり(ネットワークの隔離が弱い)

Windows 10 や、24H2 より前の Windows 11 では MXC が使えず、代わりの方式になります。Windows のバージョンは「設定」→「システム」→「バージョン情報」で確かめられます。

2. 待ち時間の内訳——どこが PC で変わるか

Claude Code に作業を頼んだときの待ち時間は、大きく2つに分かれます。

  • モデルの時間:Claude が考え、返事やコードを書いている時間。Anthropic のサーバー側で進む。
  • 手元の時間:Claude が頼んだコマンド(ファイルの読み書き・検索・スクリプト・テスト・ビルド)を、あなたの PC が実行している時間。

筆者の環境(Windows 11 の PC、Claude Code 2.1.308 のデスクトップアプリ、モデルは Opus 5.5。2026年10月23日)で、このサイトの記事の文末の表記をそろえる作業を頼んだときの、Claude Code の記録から時間の内訳を取り出しました(内訳が取れた2回)。手元の作業は Python のスクリプトと検索が中心です。

作業1(9記事):合計6分9秒

モデル 2分44秒
手元 3分13秒

作業2(48記事):合計10分7秒

モデル 5分54秒
手元 3分53秒

出典:Claude Code のセッションの記録(応答とツールの所要時間)。内訳の合計が全体より少し短いのは、どちらにも数えられない時間があるため。

この2回では、手元の時間が全体の約半分(40〜54%)でした。速い PC で縮む可能性があるのはこの部分だけで、モデルの時間は PC を替えても変わりません。また、手元の時間がすべて CPU の速さで決まるわけでもありません。ファイルの読み書き、ネットワーク越しの取得、ほかのアプリとの取り合いも含まれます。

作業の種類によって割合は大きく変わります。調べ物や文章の作成のように、コマンドをほとんど使わない作業はモデルの時間がほとんどです。逆に、大きなプロジェクトのビルドやテストを何度も回す作業では、手元の時間が長くなります。自分の作業で「どちらが長いか」を見るのが、PC を替えるか決めるいちばん確かな方法です。

3. モデルを速くするのは PC ではなく設定と料金

モデルの時間を縮めたいときに効くのは、PC ではなく、サーバー側の設定と使うモデルです。

Claude Code

fast mode(/fast)

Opus を最大2.5倍速くする設定(研究プレビュー)。同じモデルで、料金は Opus 5.5 で100万トークンあたり入力 $8・出力 $40。サブスクのプランでは、プランの枠ではなく使用量クレジットから払う。

Codex

Fast mode・Ultrafast

Fast mode(/fast)は速くなる代わりにプランの枠を標準の2.5倍使う。Ultrafast は GPT-6 Astra で最大8倍速いが、Pro $500 と対象の Enterprise・Edu だけで、枠は8倍使う。

出典:Claude Code「Speed up responses with fast mode」、OpenAI「Speed」(いずれも2026年10月24日確認)

料金をかけずにモデルの時間を減らす方法もあります。

  • 簡単な作業は軽いモデルで:/model で Sonnet や Haiku に切り替えると、1回の返事が速く、安くなる。
  • 読ませる量を減らす:「このフォルダの、この関数」と範囲を名指しする。会話が長くなったら /compact でまとめる。読む量が減れば、考える時間も減る。
  • 考える深さを下げる:/effort で考える量を下げると、返事は早くなる(難しい作業では質が落ちることがある)。

トークンの節約の方法は「Claude Code のトークンを節約する方法」に詳しくまとめています。

4. PC の性能が効く所と、買い替える前に確かめること

PC の性能が作業の速さや安定に効くのは、主に次の3つです。

メモリ——同時に動かすもので決まる

公式の最低は4GB ですが、これは Claude Code が動くための数字です。実際には、同じ PC でブラウザ・エディタ・Docker・開発用のサーバーも動かします。どれだけ要るかは、同時に動かすものの合計で決まります。Windows ならタスクマネージャー、Mac ならアクティビティモニタで、いつもの作業中のメモリの使用量を見てください。足りずにディスクへの退避(スワップ)が増えると、全体が遅くなります。

Claude Code 自体のメモリも、長いセッションや大きなコードベースでは増えます。公式のトラブルシューティングによると、1つのセッションのメモリ(ヒープ)が 2.5GB を超えると警告が出ます。そのときは Claude Code を再起動して claude --continue で会話を続けると、メモリが空きます(2026年10月24日確認)。複数のセッションやサブエージェントを並べて動かす使い方では、そのぶんメモリを使います。

CPU とストレージ——ビルド・テスト・検索

Claude Code が実行するビルドやテストの時間は、普段あなたが手で実行するときと同じです。手で実行して遅いものは、Claude Code に頼んでも遅いままです。ファイルの検索や読み込みは、SSD かどうか、ファイルの数がどれだけあるかで変わります。公式は、大きなビルドの出力フォルダを .gitignore に入れることを勧めています(検索や読み込みの対象から外れる)。

ネットワーク上のフォルダに入れない:Claude Code は実行中もプログラムのファイルを読み続けます。ホームフォルダが NFS などのネットワーク上にある環境では、途中でファイルが読めなくなると落ちることがあると公式は書いています。プログラムは各 PC のローカルのディスクに入れてください(セットアップの「Install on network storage」)。

同じ PC で動くほかの重い処理

Docker のビルドや仮想マシンのように重い処理が同じ PC で動いていると、Claude Code が実行するコマンドも CPU やメモリを取り合って待たされます。長いビルドやテストを頼むときは、ほかの重い処理を同時に走らせないようにすると、手元の時間が短くなります。

買い替える前に確かめる3つ

PC を替えて速くなるかは、次の3つを見ると判断できます。どれにも当てはまらなければ、PC を替えても待ち時間はほとんど変わりません。

  1. メモリが足りているかいつもの作業中(Claude Code・ブラウザ・エディタ・Docker を開いた状態)に、Windows ならタスクマネージャーの「パフォーマンス」→「メモリ」、Mac ならアクティビティモニタの「メモリ」タブの「メモリプレッシャー」を見る。使用中がほぼ上限に張りついている、メモリプレッシャーが黄や赤になるなら、メモリを増やす効果がある。
  2. 手で実行しても遅いコマンドがあるかClaude Code がよく実行するビルドやテストのコマンドを、自分のターミナルで実行して時間を見る。それが長いなら、CPU やストレージの速い PC で縮む。短いなら、待ち時間の大半はモデル側。
  3. 同時に動かしたい数が増えているか複数のセッションやサブエージェントを並べる、Docker のコンテナを何個も立てるなど、同時に動かすものを増やしたいなら、メモリと CPU のコア数が効く。

5. Mac と Windows(WSL)の違い・Codex のアプリが重いとき

Claude Code は Mac・Windows・Linux のどれでも公式に動きます(Codex の Windows の条件は1章)。Windows では、Windows のまま動かす方法と、WSL(Windows の中の Linux)で動かす方法を選べます(2026年10月24日確認)。

動かし方必要なものサンドボックス向いている場合
Windows のままなし(Git for Windows は任意で、入れると Bash を使い、無ければ PowerShell を使う)使えないWindows 向けのプロジェクトと道具
WSL 2WSL 2 を有効にする使えるLinux の道具を使う開発、コマンドをサンドボックスで実行したいとき
WSL 1WSL 1 を有効にする使えないWSL 2 が使えないとき

出典:Claude Code「Set up Claude Code」の Set up on Windows

どれを選んでもモデルの速さは同じです。選ぶ基準は速さではなく、プロジェクトがどちらの道具で動くかです。たとえば Linux 向けのビルドの道具を使うプロジェクトなら WSL 2、Windows のアプリを作るなら Windows のままが自然です。

Codex のアプリが重いとき

Windows 版の Codex アプリ(ChatGPT のデスクトップアプリ)では、長いセッションで動きがもたつく・固まるという報告が、公式のリポジトリに多く寄せられています。題は「十分な資源があるのに固まる」で、PC の性能が足りないことが原因ではない例です(openai/codex #20214、2026年10月24日時点で未解決)。

OpenAI の担当者はこの中で、ChatGPT v26.825.32147 で原因の1つを直したと書いています。サンドボックスで実行したコマンドが、Windows の画面を管理するプロセス(dwm.exe)の資源を溜めていくというものです(2026年8月28日のコメント)。Windows でアプリが重くなったら、PC を替える前にアプリを最新にして、長いセッションはいったん閉じて開き直すのが先です。

6. 「遅い」と感じたときの切り分け

遅いと感じたら、PC を替える前に、どこで時間がかかっているかを確かめてください。

  1. 返事を書いている途中が遅いのか、コマンドの実行が遅いのか画面で、Claude の文字が出てくるのが遅いならモデル側です。「実行中」のコマンドがなかなか終わらないなら手元側です。
  2. モデル側なら:混雑と設定を見るAnthropic の稼働状況のページで障害が出ていないかを見る。会話が長いなら /compact、簡単な作業ならモデルや /effort を軽くする。
  3. 手元側なら:そのコマンドを自分で実行してみる同じコマンドを手で実行して遅ければ、Claude Code ではなくそのコマンドか PC の問題です。テストやビルドの範囲を絞るよう Claude に頼むのも効きます。
  4. Claude Code 自体が重いなら:公式の手順で調べるCPU やメモリを使いすぎているときは、公式のトラブルシューティングの順に試します。/compact、大きな作業の間で再起動、claude --safe-mode でプラグイン・MCP サーバー・フックを外して比べる、/heapdump でメモリの内訳を出す。

Claude Code がまったく反応しないときは Ctrl+C で止め、だめならターミナルを閉じて claude --resume で会話を再開できます。

7. 手元でモデルを動かすなら話は別

ここまでの話は、モデルがサーバーで動く Claude Code や Codex の場合です。Ollama などでモデルを自分の PC で動かす場合は、PC の性能がそのまま速さになります。とくに GPU のメモリ(VRAM)と、メモリの量で、動かせるモデルの大きさと返事の速さが決まります。

手元でモデルを動かすための PC の選び方は「ローカル LLM に必要なスペック」、始め方は「ローカル LLM の動かし方」で説明しています。

8. まとめ

  • Claude Code の公式の動作要件はメモリ 4GB 以上・x64 か ARM64・インターネット接続。GPU は要らない。
  • モデルが考えて書く時間は PC で変わらない。速くしたいなら fast mode、軽いモデル、読ませる量を減らす。
  • PC で変わるのは手元で走るコマンド(ビルド・テスト・検索・Docker)。筆者の測定では作業時間の約半分。
  • メモリは同時に動かすものの合計で決まる。1つのセッションのメモリが 2.5GB を超えたら再起動して claude --continue。
  • 遅いと感じたら、モデル側か手元側かを先に見分ける。PC を替えるのは手元側が長いと分かってから。

FAQ

Q. Mac mini や安いノート PC でも Claude Code は使えますか?

A. 使えます。公式の要件(macOS 13.0 以降か Windows 10 1809 以降、メモリ 4GB 以上、x64 か ARM64)を満たしていれば動きます。モデルはサーバーで動くので、返事の速さは高い PC と変わりません。差が出るのは、ビルドやテストなど手元で実行するコマンドと、同時に動かすアプリが多いときのメモリです。

Q. メモリ 8GB で足りますか?

A. Claude Code だけなら公式の最低(4GB)を超えています。足りるかどうかは、同時に動かすもの(ブラウザ・エディタ・Docker・開発用のサーバー)の合計で決まります。いつもの作業中にタスクマネージャーかアクティビティモニタでメモリの使用量を見て、いっぱいになっているかで判断してください。

Q. PC を新しくしたら Claude Code は速くなりますか?

A. Claude が考えて書いている時間は変わりません。速くなるのは、Claude Code が実行するビルド・テスト・検索などの手元のコマンドだけです。どちらが長いかは作業によって違うので、まず「遅いと感じたときの切り分け」で確かめてください。

Q. Codex に必要な PC のスペックは?

A. OpenAI のドキュメントには、メモリや CPU の数字は書かれていません(2026年10月24日確認)。Codex もモデルは OpenAI のサーバーで動くので、Claude Code と同じく、返事の速さは PC ではなくモデルと設定(Fast mode など)で決まります。Windows で使うなら、推奨のサンドボックス(MXC)のために Windows 11 の 24H2 以降かどうかを確かめてください。

参照した公式のページ(2026年10月24日確認):Claude Code「Set up Claude Code」「Troubleshooting」「Speed up responses with fast mode」、OpenAI「Codex CLI」「Windows sandbox」「Speed」。料金や要件は変わることがあるので、使う前に公式のページで確かめてください。