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AIの遊びでいちばん中毒性が高いのが、AIを"ゲームマスター(GM)"にしたテキストアドベンチャーだ。あなたが行動を宣言すると、AIが状況を描写し、物語が分岐していく——自分だけの物語がその場で生まれる。しかも選択肢の外の突飛な行動(「ドラゴンに就職相談する」)にもちゃんと乗ってくるのがAIならでは。
この記事は、コピペで使えるプロンプトつきで「作り方」を最初から最後まで解説する。まず貼るだけのスターター・プロンプト、面白さを決める部品、ジャンル別プリセット、サイコロやセーブといった一歩上のテク、そして"AIが甘くなる・設定を忘れる"の直し方まで。プログラミングは一切いらない。姉妹記事AIの面白い使い方15選の⑦をとことん掘り下げた保存版だ。
30秒で結論
迷ったらここだけ
1. テキストアドベンチャーとは/なぜAIが向く
テキストアドベンチャーは、文章で状況が描かれ、プレイヤーが行動を言葉で入力して物語を進めるゲームだ。古くからあるジャンルだが、従来はあらかじめ用意された分岐しか選べなかった。生成AIをGMにすると、この制約が消える——プレイヤーが何を言っても、その場で物語が生成され対応する。
用意された選択肢だけ。想定外の行動はできない。分岐は有限で作者が全部書く。
何を宣言してもOK。AIが即興で描写・判定・分岐を生成。物語は無限に広がる。
AIが向く理由はシンプルで、即興の描写・世界観の一貫性・プレイヤーの意図の汲み取りがどれも言語モデルの得意分野だからだ。一方で数の管理や公平な判定は苦手(後述の⑤で補う)。この得意・不得意を踏まえると設計がうまくいく。AIにできること・できないことも参考に。
2. まずこれを貼る:スターター・プロンプト
細かい理屈より、まず動かそう。下のスターター・プロンプトをコピーして、AIチャットに貼るだけで遊び始められる。ChatGPT・Claude・GeminiのどれでもOK。[ ]の部分だけ好みに変えてほしい。
あなたはテキストアドベンチャーのゲームマスター(GM)です。以下のルールで進行してください。
・舞台:[魔法学校の入学初日]/トーン:[わくわく7割・ちょっと不気味3割]
・毎ターン、①今の状況を3〜5文で描写 → ②私が取れる選択肢を3つ提示。ただし私は選択肢以外の自由な行動も宣言できます。
・私の行動の結果は、無理のない範囲でリアルに(成功も失敗もあり)。何でも都合よく成功はさせないでください。
・「所持品」と「体力(HP・10から開始)」を毎ターン末尾に短く表示。
・一度に長く進めすぎず、私の入力を待ってから次へ。
・私が『セーブ』と言ったら、ここまでのあらすじ・現在地・状態を箇条書きで要約してください。
では、オープニングの描写から始めてください。
これだけで、AIが情景を描き、選択肢を出し、あなたの入力を待つ。あとは「左の扉を開ける」「窓から逃げる」「そもそも校長に会いに行く」など、思いついたことを自由に打ち込むだけだ。
3. 面白さを決める5つの部品
スターターの中身を分解すると、面白さは次の5つの指定で決まる。ここを調整すれば、体験は思いのままだ。
いつ・どこ・何が起きているか。具体的なほど描写が濃くなる。「宇宙ステーション、酸素残り30分」など状況に緊張を仕込むと一気に引き込まれる。
ホラー/コメディ/シリアスなど。「◯割・◯割」と配合で指定すると狙い通りになる。「コメディ8割・ホラー2割」のように。
「描写→選択肢3つ+自由行動可」が基本形。1ターンの分量、失敗もあり得ること、勝手に進めないことを明記する。
HP・所持品・時間・お金などを毎ターン末尾に表示させる。数字が見えると「ゲーム」になる。AIは数を忘れがちなので明示が肝心。
「一度に進めすぎない・入力を待つ」を指定。これが無いとAIが勝手に話を進めて"読書"になってしまう。プレイヤーの手番を守らせる。
迷ったら①舞台と②トーンだけを変えて遊ぶのが手軽。③〜⑤はスターターのままでほぼ完成している。
4. ジャンル別プリセット
スターターの①②を差し替えるだけで雰囲気が一変する。そのままコピペして使えるプリセットを5つ。
画像生成が使えるAIなら、要所で「今の場面のイラストを描いて」と頼むと臨場感が増す。基本は画像生成AIの始め方を参照。
5. 一歩上:サイコロ・ステータス・セーブ
基本に慣れたら、次の"モジュール"をスターターに足すと一気にゲームらしくなる。必要なものだけ追記すればいい。
🎲 サイコロで運の要素を入れる
AIは公平な乱数が苦手なので、ルールを明示して判定させる。追記例:
📊 ステータスとレベルを持たせる
💾 セーブ&再開(無料プランでも長く遊ぶ鍵)
会話が長くなるとAIは古い部分を忘れる。区切りで状態を要約させて手元にコピーしておけば、別日でも続きから遊べる。
6. うまくいかない時の直し方
| 症状 | 直し方(そのまま言う) |
|---|---|
| 甘い・何でも成功する | 「失敗や代償ももっと入れて。都合よく成功させないで」 |
| 勝手に話を進める | 「1ターンずつ。描写と選択肢を出したら、必ず私の入力を待って」 |
| 一本道に感じる | 「私の選んだ行動で展開が実際に変わるように。選択肢以外も尊重して」 |
| 説明が長すぎる/短すぎる | 「描写は1ターン3〜5文で」(好みに応じて増減) |
| HPや所持品を忘れる | 「毎ターンの最後に、状態(HP・所持品)を必ず表示して」 |
| 世界観がブレる | 「設定に矛盾が出たら、直近の設定を正として整合させて」 |
コツはその場ですぐ言い直すこと。GMへの"注文"はいつでも通る。うまい注文の仕方はプロンプトエンジニアリング実践ガイドの考え方がそのまま活きる。
7. 長く遊ぶ・続きから再開する
- 区切りでセーブ:⑤の『セーブ』で要約を出し、メモに貼っておく。無料プランの上限に当たっても、翌日そこから再開できる。
- 章立てにする:「今日はここまで。次は"第2章"から」と宣言すると、AIが物語を区切って覚えやすくなる。
- 長くなったら新しいチャットへ:会話が伸びすぎると忘却やもたつきが出る。セーブデータを新チャットに貼って"引っ越す"と快適。
- マルチエンディングを狙う:「結末は複数用意して、私の行動で分岐させて」と最初に頼むと、周回プレイが楽しくなる。
注意点
- あくまでフィクション:AIはもっともらしいウソ(ハルシネーション)を混ぜる。物語内の"史実"や"知識"を事実として信じないこと。AIにできること・できないこと参照。
- 個人情報を物語に混ぜすぎない:本名・住所・実在の詳細は控えめに。詳しくはAIに入力してはいけない情報。
- 子どもと遊ぶときは大人が一緒に:各サービスに年齢制限(13歳以上+保護者同意など、規約による)。ホラー等はトーンを「怖すぎない」に指定し、内容を確認してから。
- 過度に暴力的・不適切な展開は避ける:安全に楽しむ範囲で。方向性が逸れたら「もっと健全なトーンで」と即修正。
まとめ
- 作り方は簡単:無料AIにスターター・プロンプトを貼るだけ。プログラミング不要。
- 面白さは5つの部品:舞台・トーン・ルール・状態管理・テンポ。迷ったら①舞台と②トーンだけ変える。
- 一歩上へ:サイコロ・ステータス・セーブを足すと本格化。数の管理はAIが苦手なので明示で補う。
- 長く遊ぶ鍵はセーブ:区切りで要約させてコピー。新チャットに引っ越せば無料でも延々遊べる。
あなたが打ち込む一行で、物語はどこへでも転がっていく。まずはスターター・プロンプトをコピーして、今夜ひとつ世界を立ち上げてみよう。もっと軽いネタが欲しい日はAIに聞くと面白い質問・お題30選もどうぞ。
FAQ
Q. プログラミングやアプリは必要?
いりません。普通のAIチャット(ChatGPT・Claude・Geminiなど)にプロンプトを貼るだけで遊べます。無料プランで十分。長く遊ぶときだけ、セーブ(状態の要約コピー)を活用してください。
Q. どのAIが向いている?
どれでも遊べますが、長い物語の一貫性や描写の豊かさが体験を左右します。同じスターター・プロンプトをChatGPT・Claude・Geminiに貼って"GMの相性"を比べるのもおすすめ。文脈を長く保てるモデルほど、込み入った物語で有利です。
Q. すぐ話が進みすぎる/逆に一本道になる
どちらもルールの再指定で直ります。進みすぎるなら「1ターンずつ、私の入力を待って」、一本道なら「私の行動で展開が実際に変わるように、選択肢以外も尊重して」と伝えましょう。GMへの注文はいつでも有効です(第6章の表を参照)。
Q. AIがHPや持ち物を忘れる
言語モデルは数の管理が苦手です。「毎ターンの最後に状態(HP・所持品)を必ず表示して」と指定し、それでもズレたら「今の正しい状態はこれです:[貼る]」と直近の値を渡して整合させてください。重要な数値は自分でもメモしておくと安全です。
Q. もっと他のAIの遊び方も知りたい
遊びの"モード"を幅広く知るならAIの面白い使い方15選、コピペで試せるお題集はAIに聞くと面白い質問・お題30選、プロンプトの腕を上げたいならプロンプトエンジニアリング実践ガイドへ。