Claudeの適応的思考(adaptive thinking)とは——拡張思考との違いと移行の注意点
Claudeの「思考(thinking)」はこの1年で世代交代した。かつての拡張思考(extended thinking)は thinking: {"type": "enabled", "budget_tokens": N} で思考トークン量を人間が毎回指定する方式だったが、適切な予算はタスクごとに違い事前に当てられず、予算変更はプロンプトキャッシュも無効化する。現行の適応的思考(adaptive thinking)は type: "adaptive" の一行だけで、考えるかどうか・どれだけ深く考えるかをリクエストの難しさからモデル自身が判断する。移行はOpus 4.6 / Sonnet 4.6でbudget_tokensが非推奨になり、Opus 4.7以降では400エラーで拒否という段階を踏んだ。本記事ではモデル別の扱いを1枚の早見表に整理する——Fable 5は思考常時ON(OFF不可)、Opus 5 / Sonnet 5は既定ON(Opus 5のOFFはeffort high以下のみ)、Opus 4.8 / 4.7は明示で有効化、旧世代(Sonnet 4.5 / Haiku 4.5等)は今もbudget_tokensが唯一の方式。深さの調整はoutput_config: {"effort": ...}の5段階(既定high)に移り、effort変更はキャッシュを無効化する。見え方はdisplayで制御し、新世代の既定は"omitted"(空の思考ブロック)——見えなくても思考トークンは全額課金され、実測はusage.output_tokens_details.thinking_tokensで行う。生の思考過程はどの設定でも返らない。思考OFFにはOpus 5でツール呼び出しがテキスト化される・内部タグが漏れるという公式記載の副作用があり、切るよりeffortを下げるのが安全。interleaved thinking(ツール呼び出しの合間の思考)はadaptiveなら自動で、旧ベータヘッダは不要。速度が欲しいときはfast mode(約2.5倍速・単価2倍・Opus 5/4.8のみ・Claude Codeは/fastで切り替え)という選択肢もある。すべてAnthropic公式ドキュメント(Thinking / Extended thinking / Fast mode)に基づいて解説する。