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「ビルドが終わったら教えて」「CIが赤くなったら直しておいて」「デプロイ状況を5分おきに見張って」——こういう"張り付き仕事"を、AIに丸ごと預けられたら。Claude Codeに2026年に追加された /loop(ループ)コマンドは、まさにそれを叶える。プロンプトやスラッシュコマンドを、決めた間隔で(あるいはAIが自分で考えた間隔で)繰り返し実行する——セッション内の"見張り役・繰り返し役"だ。
結論から言う。/loop は「今すぐ確認したい」と「24時間ずっと自動化したい」の中間を埋める機能だ。`/loop 5m デプロイ状況を確認して` と打てば5分おきに自動実行。間隔を省略すれば Claudeが状況を見て最適な待ち時間を自分で選ぶ(セルフペース)。本記事では、4つの使い方・セルフペースの仕組み・実用レシピ・停止と注意点、そして似た機能(Desktopタスク/クラウドのRoutines)との使い分けまで、初心者にもわかりやすく解説する。なお /loop は新しい機能で仕様は変わり得るため、最新は公式ドキュメントの確認を推奨する(本記事は2026年時点の情報)。
決めた間隔で、AIが繰り返し動く
— 張り付きの見張り仕事を、ループに任せる
プロンプト/コマンド
間隔 or AIが決定
終われば自動停止
「実行 → 待つ → また実行」をAIが回す。セルフペースなら、終わったとAIが判断した時点でループも止まる。
※本記事の /loop の仕様・挙動はClaude Code公式ドキュメント(2026年時点)に基づく。新しい機能のためバージョンにより変わり得る。利用前に `claude --version` と公式ドキュメントで最新を確認のこと。
1. /loop とは?——一言でいうと
/loop は 「プロンプトやスラッシュコマンドを、一定間隔で繰り返し実行する」Claude Code の組み込み機能だ。技術的には「セッション内タスクスケジューラ」で、内部ではcron(時刻スケジューラ)を使っている。
/loop =「同じ指示を、決めた間隔で(またはAIが選んだ間隔で)何度も自動で実行させる」コマンド。CI/デプロイの監視、PRの見張り、長時間ビルドの確認といった"張り付き仕事"を、セッションを開いたまま任せられる。
身近なたとえで言うと——/loop は 「5分おきに様子を見てきて、と頼める気の利くアシスタント」だ。あなたが別の作業をしている間、AIが裏で定期的にチェックし、変化があれば対応する。しかも間隔を省略すれば、「今は動きがあるから1分後、落ち着いたから30分後」とAIが自分で間合いを計る。これがただのcronと決定的に違う点だ。基礎となるAIエージェントの「自分で判断して動く」性質が、ここで効いてくる。
2. 4つの使い方(間隔×プロンプト)
基本の形は /loop [間隔] [プロンプト]。間隔とプロンプトは両方とも省略でき、何を渡すかで挙動が変わる。組み合わせは4通りだ。
| 入力例 | 挙動 |
|---|---|
/loop 5m デプロイ状況を確認して | 固定間隔:5分ごとにこのプロンプトを自動実行(cronベース) |
/loop デプロイ状況を確認して | セルフペース:間隔をClaudeが状況に応じて毎回判断 |
/loop 15m | 間隔だけ指定:組み込みの「メンテナンス用プロンプト」を15分ごと |
/loop | 両方省略:メンテナンスを自動間隔で(未完作業の継続→PR/CI対応→クリーンアップ) |
間隔の書き方は 数字+単位(s=秒・m=分・h=時・d=日)。最短は1分で、cronの粒度に合わせて秒は分に切り上げられる。every 2 hours のように自然文でも書ける。そして重要なのが——プロンプトの代わりにスラッシュコマンドも渡せること。たとえば次のように書けば、20分ごとに特定PRのレビューを回せる。
# スラッシュコマンドをループさせる例
/loop 20m /review-pr 1234
# 自然文で間隔を指定する例
/loop テストの結果を確認して every 30m
つまり 「毎回手で叩いていたコマンド」を、間隔を付けるだけで自動化できる。AIコーディングのコストを気にする人は、無駄なループを避けて必要な時だけ回すのがコツだ。
3. セルフペース(間隔をAIが決める)の凄さ
4つの使い方の中でも、/loop を"ただのcron"から引き離しているのが セルフペース(間隔の自動判断)だ。間隔を省略すると、Claudeは毎回の実行後に 「次はいつ見に来るべきか」を自分で決める。
固定間隔(cron)
- 常に同じ間隔で機械的に実行
- 変化がなくても回り続ける
- 止めるまで(または7日)続く
- 「正確な時刻」が要るときに最適
セルフペース(AI判断)
- 動きがあれば短く、なければ長く待つ
- 待ち時間は1分〜1時間の範囲でAIが選択
- 選んだ間隔と理由を毎回表示
- 完了したと判断したらループ自体を自動終了
ここが効く。たとえば「テストが通るまで見張って」とセルフペースで頼むと、テストが走っている間は短い間隔で、終わりが近づけば確認頻度を上げ、完了したらループを止めて報告する——人間の見張りに近い振る舞いをする。固定間隔だと「もう終わっているのに無駄に回り続ける」「逆に間隔が長すぎて見逃す」が起きるが、セルフペースはそれを避けられる。個人的には、明確な時刻が要らない監視はセルフペース、定時レポートのように時刻が大事なものは固定間隔、と使い分けるのが良いと思う。
4. 実用レシピ集
抽象論より具体例だ。/loop が実際に役立つ場面を、そのまま使える形で並べる。
CI/デプロイの見張り
「CIが赤くなったらログを見て原因を直して」とセルフペースで。緑になるまで自動で面倒を見る。
PRのお守り
/loop 20m でPRのレビュー対応・コンフリクト解消・CI修正を定期的に。
長時間ビルドの確認
「ビルドが終わったか確認して、終わってたら次の手順を進めて」を任せる。
リマインド・定時チェック
「45分後に統合テストが通ったか確認して」のような一度きりの予約にも。
ブランチの自動メンテ
プロンプト省略の /loop で、未完作業の継続やクリーンアップを定期実行。
ポイントは 「人が定期的にチェックしていた作業」を狙うこと。とくにCIやデプロイのように「待つ→確認する→対応する」を繰り返す仕事は、/loop の独壇場だ。PRのステータス確認のような定型監視も、ループ化すれば張り付きから解放される。
5. 停止と注意点
便利な反面、/loop には「セッション内で動く」という性質ゆえの制約がある。知らないと「あれ、動いてない?」となる。
- 停止は Esc:次の実行を待っている間に Esc を押せば、保留中の起動がクリアされてループは止まる。セルフペースなら、Claudeが「完了した」と判断して自動で止まることもある。
- セッションが開いている間だけ動く:/loop はそのセッション(会話)に紐づく。新しい会話を始めるとタスクは消える。ターミナルを閉じても止まる(`claude --resume` で7日以内なら復帰)。
- 固定間隔は最長7日:止めるか7日経つまで回り続ける。
- 1セッション最大50タスク:それ以上は登録できない。
- ターン(応答)の合間に実行:あなたの操作の途中に割り込まず、ターンの切れ目で発火する。混むと多少ずれる(API集中を避けるため意図的な揺らぎ=ジッターもある)。時刻はローカルタイムゾーン基準。
正直に言えば、最大の落とし穴は 「セッションを閉じたら止まる」ことを忘れることだ。24時間ずっと自動で回したい用途には /loop は向かない。その場合は次章の別機能を使う。
6. 3つのスケジューリング機能の使い分け
Claude Code には、実は スケジューリングの層が3つある。/loop はそのうち「セッション内」を担う。混同しやすいので整理しておこう。
| 機能 | 動く場所 | 常時稼働 | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| /loop | 自分のPC(セッション内) | ✗(開いている間だけ) | 作業中の監視・ポーリング(CI見張り・PRお守り) |
| Desktop scheduled tasks | 自分のPC(独立) | ✅(常駐) | セッションを越えて続くローカル定期作業(監査・同期) |
| Routines(クラウド) | Anthropicのクラウド | ✅(無人で稼働) | 夜間ビルドや定時レポートなど完全自動の運用 |
※機能名・仕様は2026年時点。バージョンや提供状況で変わり得るため公式を確認のこと。
選び方はシンプルだ。作業中にちょっと見張りたいだけなら /loop。セッションを閉じても続けたいならDesktopタスク。PCを閉じても無人で回したいならクラウドのRoutines。「今やっている作業の延長で監視したい」のか「自分がいなくても動かしたい」のか——この一点で決まる。AIエージェントを本格運用するなら、この3層の理解が効いてくる。
7. カスタマイズ(loop.md)と無効化
最後に、一歩進んだ使い方を2つ。
- loop.md で「省略時の動き」を自分仕様に:プロンプトを省略した
/loopの既定動作は、`.claude/loop.md`(プロジェクト用)または `~/.claude/loop.md`(ユーザー用)に自分のMarkdownを書けば差し替えられる。たとえば「release/next のPRを見て、CIが赤ければ最小修正をpush、緑なら一行で報告」といった"自分の見張り手順"を既定にできる。編集は次の実行から反映される。 - まるごと無効化:スケジューラ自体を止めたいときは、環境変数
CLAUDE_CODE_DISABLE_CRON=1を設定する。
loop.md は、CLAUDE.md などの指示書と同じ発想だ。AIに「定期的に何をしてほしいか」を一度書いておけば、毎回プロンプトを打たなくても、あなた専用の見張りループが回る。
まとめ
Claude Code の /loop を整理する。
- /loop とは: プロンプト/スラッシュコマンドを、決めた間隔(またはAIが決めた間隔)で繰り返し実行するセッション内スケジューラ。
- 4つの使い方: 固定間隔/セルフペース/間隔だけ(メンテ)/両方省略(自動メンテ)。
- セルフペースが肝: 動きに応じて間隔を変え、完了したら自動で止まる。ただのcronと違う点。
- 実用は監視系: CI/デプロイ見張り、PRお守り、ビルド確認、リマインド。
- 制約: セッション内のみ・最大50タスク・固定間隔は7日・停止はEsc。
- 使い分け: 作業中なら /loop、常駐ならDesktopタスク、無人ならクラウドのRoutines。
結局、/loop が変えるのは「AIに任せられる仕事の"時間軸"」だ。これまでは一回の会話で完結する仕事しか頼めなかったが、/loop は 「待って、また見て、対応して」という"継続する仕事"を初めてAIに預けられるようにした。あなたが別のことに集中している間も、ループは静かに回り続ける。張り付く時間を、AIに返してもらおう。
FAQ
Q. /loop とは何ですか?
A. Claude Code に組み込まれた、プロンプトやスラッシュコマンドを一定間隔で繰り返し実行する機能です。`/loop 5m 〇〇して` のように間隔を指定すると5分ごとに自動実行、間隔を省略するとClaudeが状況に応じて最適な間隔を自分で決めます(セルフペース)。CIやデプロイの監視といった"張り付き仕事"を任せられます。
Q. 間隔はどう指定しますか?最短は?
A. 数字+単位で指定します(s=秒、m=分、h=時、d=日)。たとえば /loop 30m で30分ごと。内部でcronを使うため最短は1分で、秒指定は分に切り上げられます。every 2 hours のように自然文でも書けます。
Q. 間隔を省略するとどうなりますか?
A. Claudeが毎回の実行後に「次はいつ見るべきか」を自分で判断します(セルフペース)。待ち時間は概ね1分〜1時間の範囲で、動きがあれば短く、なければ長く待ちます。さらに、タスクが完了したとClaudeが判断すれば、ループ自体を自動で終了します。
Q. 走っているループはどう止めますか?
A. 次の実行を待っている間に Esc を押すと、保留中の起動がクリアされて止まります。また、新しい会話を始めるとそのセッションのタスクは消えます。固定間隔のループは、止めるか7日が経過するまで続きます。
Q. PCやターミナルを閉じても動き続けますか?
A. いいえ。/loop はセッション(会話)に紐づくため、ターミナルを閉じると止まります(7日以内なら `claude --resume` で復帰可能)。PCを閉じても無人で動かしたい場合は、ローカル常駐のDesktop scheduled tasks や、クラウドで動くRoutines を使います。
Q. スラッシュコマンドもループできますか?
A. できます。プロンプトの代わりにスラッシュコマンドを渡せば、それを定期実行します。たとえば /loop 20m /review-pr 1234 のように書けば、20分ごとに特定PRのレビューを回せます。
Q. /loop と Routines(クラウド)の違いは?
A. /loop は自分のPCで、Claude Code のセッションが開いている間だけ動く軽量な監視向けです。Routines はAnthropicのクラウドで、PCを閉じても無人で動き続ける本格的な自動運用向けです。「作業中の見張り」なら /loop、「自分がいなくても回したい定期処理」なら Routines、と使い分けます。