Anthropic は2026年10月8日、Claude の新しい作成機能を2つ、ベータで公開しました。会社のデータに質問するとダッシュボードを作るClaude Dashboardsと、資料や数字から短い説明アニメーションを作るClaude Motionです。この記事では、Anthropic の発表とヘルプの原文(2026年10月22日確認)をもとに、それぞれでできること、使える人、作り方と直し方、向く使い方と向かない使い方を整理します。

Claude Dashboards

データに聞いて表を作る

データ基盤や Salesforce につなぎ、ふつうの言葉で質問する。グラフごとに元のクエリが見え、データの変化に合わせて最新に保つ。

Claude Motion

資料を短い動画に

報告やグラフを30秒ほどの説明アニメーションにして、MP4 で書き出す。動画生成のモデルは使わず、中身はコード。

使える人

どちらも有料プラン

Dashboards は Pro・Max・Team・Enterprise、Motion は Team・Enterprise。Enterprise は管理者が有効にする。

1. 2つの機能のちがい

どちらも、Claude の会話の中で作る「アーティファクト」(会話の横に開く成果物)の新しい種類です。Docs(文書)・Slides(スライド)・Design(デザイン)の仲間で、作ったものは Artifacts タブに保存されます。

比べる点Claude DashboardsClaude Motion
作るものデータのダッシュボード(グラフと表)短い説明アニメーション
材料データ基盤・Salesforce などつないだアプリのデータ報告・データ・画像など自分の資料
中身グラフごとに Claude が書いた SQL のクエリ文字・グラフ・図形・画像を動かすコード
出し方共有、BI ツールへ送るMP4 で書き出し、共有、動画の編集ツールで続ける
使えるプランPro・Max・Team・EnterpriseTeam・Enterprise

Anthropic は、どちらも「Claude が最初の版を作り、何を共有するかは人が決める」ものだと説明しています。ダッシュボードは数字の出どころのクエリを、アニメーションは動きの元のコードを、それぞれ確かめて直せます。

出典:Build live dashboards and animate explainers with Claude(Anthropic、2026年10月8日)。

2. Claude Dashboards でできること

会社のデータについて知りたいことがあると、ふつうは分析の担当に依頼を出すか、自分で SQL を書くことになります。Claude Dashboards は、データ基盤をつないでおけば、ふつうの言葉で質問するだけでダッシュボードができる機能です。Claude がグラフごとに SQL のクエリを書いてデータに対して実行し、データが変われば表示も最新に保ちます。

つなげるデータAmazon Redshift・BigQuery・ClickHouse・Databricks・Snowflake などのデータ基盤。Claude につないだほかのアプリ(例:Salesforce の商談)も材料にできる。
数字の出どころが見えるグラフごとに元のクエリと、データを最後に更新した時刻が出る。数字を押すと、どう数えたかを確かめられる。
深い分析は BI ツールへAmplitude・Grafana・Hex・Mixpanel・Omni・Perplexity・PostHog・Sigma にダッシュボードを送って続けられる。Databricks Genie・Looker・monday.com・Tableau も対応予定。
共有最初は自分だけ。開いて[共有](Share)を押すと、ほかの人に渡せる。

Anthropic は、Dashboards が向くのは「今週の登録数は先月と比べてどうか」のような、すぐ答えがほしい探索的な質問だとしています。BI ツールの代わりではなく、横で使うものという位置づけです。

Claude Docs の文書にもグラフを入れられますが、そちらは作ったときの数字のまま自動では更新されません。数字が動き続けるものは Dashboards、ある時点の報告として残すものは Docs、と分けると迷いません。Docs のグラフの扱いはClaude Docs とはで説明しています。

出典:Claude Dashboardsを始める(Claude ヘルプ)・Build live dashboards and animate explainers with Claude。

3. ダッシュボードの作り方と直し方

  1. 先にデータをつなぐ質問したいデータ基盤や、Salesforce などのアプリを Claude につないでおく。
  2. 会話で頼むどの会話でも「今四半期の売上を地域別にダッシュボードにして」のように頼む。メッセージ欄の「出力(Output)」から「Dashboards」を選んでもよい。
  3. できたダッシュボードを確かめる気になる数字はグラフのクエリを開き、意図どおりに数えているかを見る。違えば Claude に直す点を伝える。
  4. 直して、共有する「地域で絞り込めるようにして」「週ごとの表示に変えて」と会話で頼む。仕上がったら[共有]で渡す。

ヘルプには、頼み方のコツが2つ書かれています。1つは、グラフの種類ではなく、知りたいことを書くことです。「登録数のグラフ」より「今月のチャネル別の登録数は、先月と比べてどうか」のほうが、狙った答えに近づきます。もう1つは、データがある表やアプリが決まっているなら、その名前を書くことです。

ヘルプに載っている頼み方の例は次の3つです。

  • 「今四半期の売上を地域別にダッシュボードにして」
  • 「過去6か月の週ごとの登録数を、プラン別に分けて見せて」
  • 「Salesforce の進行中の商談を、段階別・担当者別にダッシュボードにして」

クエリを開いたら確かめる3点

グラフの見た目が整っていても、数え方が意図とずれていることはあります。クエリを開いたら、少なくとも次の3点を見ます。SQL が読めなくても、Claude に「このクエリが何を数えているか、ふつうの言葉で説明して」と頼めば確かめられます。

期間の区切り「今月」「先週」がいつからいつまでか。月の初めの区切りや、最新の日の途中までしか入っていないことがある。
何を1件と数えているか同じ人の重複、取り消された注文、テスト用のデータが入っていないか。「登録数」が人の数なのか、登録の操作の回数なのか。
絞り込みの条件プラン・地域・状態などで、知らないうちに絞られていないか。逆に、除くべきものが入っていないか。

ずれていたら、「取り消しを除いて」「同じ人は1人と数えて」のように、直す点を言葉で伝えます。

4. Claude Motion でできること

動きで見せたほうが伝わる内容も、たいていは止まったスライドになります。Claude Motion は、報告や数字から短い説明アニメーションを作る機能です。Anthropic が挙げる例は、全社会議で流す四半期の報告の30秒の説明、取締役会の資料のグラフに付ける動き、新しい顧客に見せる製品の操作の流れです。

中身はコードClaude が、文字・グラフ・図形・画像を動かすコードを書き、短い動画のように再生される。言葉・数字・タイミングを1か所だけ直しても、ほかはそのまま残る。
実写や人物は作らない動画生成のモデルを使わないので、実写のような映像や AI が作った人物は入らない。自分の仕事を説明するための機能。
MP4 で書き出す[エクスポート](Export)から MP4 を選ぶ。最初は自分だけで、[共有]でほかの人に渡せる。
動画の編集ツールで続けるAdobe・Descript・HeyGen・Higgsfield・invideo・Luma AI・Runway で開いて仕上げられる。Canva・Captions も対応予定。

実写の映像や人物を AI で作りたいなら、Motion ではなく動画生成の AI の出番です。動画生成の AI の選び方はAI動画生成の始め方にまとめています。

出典:Claude Motionを始める(Claude ヘルプ)・Build live dashboards and animate explainers with Claude。

5. アニメーションの作り方と直し方

  1. 会話で頼む「この四半期の報告を、全社会議用の30秒の説明にして」のように頼む。メッセージ欄の「出力(Output)」から「Motion」を選んでもよい。
  2. 誰が・どこで・どのくらいの長さで見るかを書く見る人、流す場所、だいたいの長さを伝える。
  3. 材料を添える報告書・データ・画像を添付すると、自分の資料からアニメーションが作られる。
  4. 直して書き出す「2つめの場面をゆっくりに」「第3四半期の数字を18%に」と会話で頼むか、編集画面で自分で直す。仕上がったら MP4 で書き出す。

たとえば、四半期の報告を全社会議で流すなら、次のように頼むと、ヘルプの勧める「誰が・どこで・どのくらいの長さ」がそろいます。

添付の四半期の報告を、全社会議の冒頭で流す30秒の説明アニメーションにして。
見るのは会社の全員で、数字に詳しくない人も多い。
伝えたいのは「売上が前の四半期より伸びた」「伸びたのは新しいプランのおかげ」の2点。
グラフは1つにしぼって、数字は大きく見せて。

できたら、まず全体を再生して、数字と文言が報告と合っているかを確かめます。アニメーションはコードなので、「最後の場面の文言だけ変えて」のように一部だけ直しても、ほかの部分は崩れません。

ヘルプの例には、ほかに「営業の決起会のために、料金プランの違いを動きで見せて」「新しいお客さま向けに、設定の手順の短い説明を作って」があります。プレゼンの資料そのものの作り方はAIでスライドを作る方法で説明しています。

6. 使える人・設定・使用量

項目Claude DashboardsClaude Motion
使えるプランPro・Max・Team・Enterprise(ベータ)Team・Enterprise(ベータ)
無料プラン使えない使えない
Team の既定ヘルプに既定の記載なし(オーナーが組織の設定で切り替える)既定でオン
Enterprise の既定既定でオフ(オーナーが有効にする)既定でオフ(オーナーが有効にする)
使用量プランの使用量の上限に数えるプランの使用量の上限に数える(長く複雑なものほど多く使う)

Team・Enterprise のオーナーは、「組織設定」→「アーティファクト」(Organization settings > Artifacts)でオン・オフを切り替えます。Enterprise では、カスタムのロールで特定のグループだけに使わせることもできます。同じ発表で、Docs・Slides・Design はベータが外れ、無料プランを含む全プランで使えるようになりました。

出典:Claude Dashboardsを始める・Claude Motionを始める(Claude ヘルプ、2026年10月22日確認)。

7. 向く使い方・向かない使い方

機能向く向かない
Dashboards今週と先月の比較のような、すぐ答えがほしい質問じっくり掘る分析(BI ツールに送って続ける)
Dashboards数字が動き続けるものを見張るある時点の数字を報告として残す(Docs のほうが合う)
Motion自分の報告・グラフ・手順を動きで説明する実写の映像や人物が要る動画(動画生成の AI の出番)
Motion数字や文言をあとから少しずつ直す無料プランや Pro・Max の個人での利用(Team・Enterprise のみ)

Claude の作成機能のどれを使うか

Docs・Slides・Design を含めると、Claude の作成機能は5つになりました。迷ったら、作りたいものの形で選びます。

順を追って読ませるClaude Docs。仕様書・手順書・報告書。ある時点の数字を残す報告もこちら。
その場で見せて話すClaude Slides。報告や提案のスライド。PowerPoint や PDF に書き出せる。
形そのものを見せるClaude Design。画面の案・図解・ビジュアル。
動き続ける数字を見るClaude Dashboards。データ基盤やアプリの数字を、最新の状態で見る。
動きで説明するClaude Motion。報告やグラフを短いアニメーションにして、MP4 で流す。

Dashboards で数字を使う前には、グラフのクエリを一度は開いて、何を数えているかを確かめます。Claude が書いたクエリが意図とずれていても、グラフの見た目だけでは気づけないからです。

まとめ

  • Claude Dashboards と Claude Motion は、2026年10月8日にベータで加わった Claude の作成機能。
  • Dashboards は、データ基盤やアプリにつないで質問するとダッシュボードを作り、データの変化に合わせて最新に保つ。グラフごとに元のクエリが見える。
  • Motion は、報告やグラフを短い説明アニメーションにして MP4 で書き出す。動画生成のモデルは使わず、中身はコード。
  • Dashboards は Pro・Max・Team・Enterprise、Motion は Team・Enterprise。Enterprise はどちらも管理者が有効にする。
  • どちらもプランの使用量の上限に数える。

FAQ

Q. 無料プランで使えますか?

A. 使えません。Dashboards は Pro・Max・Team・Enterprise、Motion は Team・Enterprise のベータです。同じ日にベータが外れた Docs・Slides・Design は、無料プランでも使えます。

Q. Dashboards の数字は自動で更新されますか?

A. Anthropic の発表では、データの変化に合わせてダッシュボードを最新に保つとされています。グラフごとに、データを最後に更新した時刻が表示されます。

Q. Motion で人が話す動画は作れますか?

A. 作れません。Motion は動画生成のモデルを使わないので、実写のような映像や AI の人物は入りません。文字・グラフ・図形・画像を動かして説明する機能です。

Q. Enterprise で見当たらないのはなぜですか?

A. Enterprise では、Dashboards も Motion も既定でオフです。オーナーが「組織設定」→「アーティファクト」で有効にすると使えるようになります。

出典